少し余談になるけど…


入った当時からなにかとアタシは融通がきくのだ。

入った次の月からすぐNo.1取って保って、雑誌の撮影に連れてかれたり、看板やってた時から出戻りした今でもずっとだ。

正直、しんどい時もあったけど、それでもずっとそれなりに結果出して頑張って仕事やってきてたからね…

要領の悪いアタシは、大体何をやっても人の2倍も3倍も努力して、やっと人並みと、ゆう感じだった。

だから人並み以上の結果を出す為に、人の4倍も6倍もそれ以上に、人以上に努力しなければいけないと思っていたし、人以上に色んなものを犠牲にして仕事の為に、努力してきた。自分にとって、当時は仕事が全てだったから全然、苦ではなかった。

ここまで自分で過剰に言えてしまうくらい、誰かに文句なんて言わせないくらい努力してちゃんと結果に出してきたからこそ言える。

アタシの場合、人に恵まれたり、運やタイミングもあったけど…それも実力のうちと、人の事ばかりいつも羨んでばかりきたアタシが、唯一自分で自信がもてた事だった。

それくらい、仕事に関しては挫折した事がなく、数回、場所や箱の大きさが変わっても、入った店でNo.1になれなかった店はなかった。だから仕事運に関しては最強だった。

だからと言って、何をやっても許される…なんて思ってはいなかったけど、仕事として、商品としてアタシを認めて必要としてくれた店は、大体何でも許してくれた。

商品価値を下げるも上げるも自分次第。

アタシはいつだって、仕事に対して努力を怠る事なんてしなかった。

アタシの場合、純粋に純に仕事が好きだったから幸せだったし楽しかったし、ほんとに天職としか言いようがなかったんだけど。
(こんな簡単に仕事語ってそうにみえて、アタシの仕事に対しての意識、意欲、この職業の偏見を持たれているような悪い部分、危ない面もある所もわかった上での素敵な所や良さもわかっていた。そう思うまでに至る経験は語りきれないくらい…それでも、人見知りで視野が狭く、散々親に守ってもらって生きてきた世間知らずのアタシは良い意味で、視野が広がり、この仕事から人との出会いや繋がりや経験を与えてもらい、大袈裟に言えば、生きる為に人として大切な気持ちや考え方を学ばせてもらったと思う。だから、アタシはこの仕事をしてきて良かったと本当に思えたし、仕事が大好きだった。)


どの職業にしたって、需要と供給、商売、仕事って、こうゆうもんだと思う。


アタシの場合は努力したり頑張って結果を出してお店にお金や商品としての価値や利益を出して、役割を果たしていた分、単純に仕事した分、それなりのお給料も頂いていたし、働きやすい環境や色んな要望に応えてもらえていた。

アタシ自身のただの自己満足だったのかもしれないが、それでいいと思った。

自分の人生を満足出来るように頑張ったり努力しようとするのはおかしい事ではないと思うし、きっと完璧に、完全に満足するって事はあるのかないのか分からなかったが、満足に近いものを感じて、そう感じる事で更に頑張れるなら自分にとってプラスだと思ったし。




(話はだいぶそれたけど…)


彼はすぐに電話に出た。

出勤前や、仕事中、仕事の後などにちょこちょこ連絡は取っていたものの、元彼とは店が違った為、なんだかんだなかなか時間や都合が合わなくて、『久しぶりに呑むか!』って、話した日からだいぶ日が経っていた。



8月の、とある月曜日、出勤したら待機がいっぱい居た。
外はあまり人も歩いてなくて、


(今日暇そう…今日に限って来店ないしなぁ…)


…なんて、思っていたら元彼から電話が来た。
(この時はまだ親友の時だったけど。)



元彼『なにやってんの?あ~…仕事で、もう出勤しちゃった感じ?』

アタシ『うん、丁度今来たとこだけど何で?』


元彼『いや、休みだったら呑み誘おうと思っててさ、俺今、月曜日が店休だからさ。でも、いいや、また誘うよ!頑張って!』


アタシ『なんだ~!!!もっと早く言ってくれれば休みにしたのに~!一緒に呑みたかったなぁ~↓…ちょっと待って、まだ出勤して来たばっかりで着替えてないし、今日待機超多くて来店もないし暇そうだから休みにしてもらえないか聞いてみるから!』


元彼『うそ、まじで?大丈夫なの?』


アタシ『多分大丈夫だと思うからすぐ掛けなおすね!』


一旦、元彼との電話を切り、彼に掛けた。


アタシ『もしもし?』


彼『もしもし?電車乗れた?』


アタシ『うん、まだ発車してないけどもう乗ったよ。全然人いないんだけど…(笑)』



確か、こんな会話だった気がする…

普通の会話の流れから、昨日の出来事についての話になり…


話してるうちに、自分の中で色々思ってた。

(アタシが誰かに言わないか気にしてんのかなぁ…)

(まぁ、Hさんに任されてて手出しちゃったなんてバレたら気まずいだろーなぁ…)

(昨日の事後悔してんのかなぁ…)


(どう思ってんだろ…)




(………)





アタシ『…なんかさぁ!こうゆうのって珍しい話でもないし、まぁ、この歳でやらかしたなぁ…とかはあるけど、アタシ誰にも言わないから大丈夫だよ?今回の事で辞めるとか言い出したりとかもしないし。…てか、後悔してる感じ…?』


アタシはかなり強がった。


内心、かなり動揺してるくせに、自分の中でものすごく事件なのに、慣れてるように、大人ぶって…精一杯、平気そうなふりをした。



きっとアタシはこの時、すでに彼が好きだったのかもしれない。

少なからず、気になっている存在だった。

でも、なんだかんだ、彼の事知らなくて、『いないよ』なんて言われてきたけど、ほんとは彼女いるかもしれない人に、好きになったとか思われたりしたくなかったし、もしほんとにいたってわかった時、自分がすごく惨めになるのが嫌だったから、もしかして好きなのかも…なんて気持ち認めたくなかった。





彼『後悔してないよ。ただ、傷つけちゃってないかな…って、思ってさ。』




…彼の『後悔してない』とゆう言葉に安心した反面なんか、切なくなった…


その微妙に優しいような、良い人そうなセリフはずるい…



彼に好意があったとしても、もし、もしそうだったとしても、そんなに多くの事は望む事はきっとしなかったはずなのに…


寂しくなった…


今回はハプニングだったとしても、今回をきっかけにもう少しだけ、今までより近い関係になれたら…なんて思ってた、望んでた自分がいたかのように…



その日の夜からも、アタシは今まで通り変わらず仕事に行った。


そして時々、いつものように話し込みに行ったりもした。



誰にも言う事も出来ないし、なんだか自分でもうまく言葉にならない気持ちでいっぱいになって、やりきれなかった。

どこか、失恋したような苦しさがあった…

完全に好きだった訳じゃないのに…なんで?


今までだって、他の子よりは仲がいい方だったけど…関係は変わらず、それでも他の子よりは少しひいきされてるのがわかる彼の優しさと、お互い、あの日の出来事をあの日からどこか意識してるとこがあって、自分と彼だけに秘密があるの事にどこかドキドキしたり、優越感に思えた。



でも、だからと言って何かが大きく変わった訳ではない毎日が…やりきれなかった。






…そんな矢先に、久しぶりにたまたまよく連絡を取り合うようになっていたのが…



元彼だった。