再就職してなんとか4週間が、やっと昨日で終わった。

 

 定年退職後の再雇用制度を利用しないで、違う組織に再就職することの大変さはわかっていたつもりだった。

 覚悟を決めていたはずなのに、すべての記録が電子媒体で iPADやPCを使いこなせないと、日々の記録も同僚との情報交換もできない。仕事の内容をつかめない。

 私に渡されたノートパソコンはだいぶ古いもので 起動に時間がかかる。自宅で使っているものとメーカーが違い、古い機種なので同じWindows

10でも使い勝手が悪い。

 同僚がサクサクと仕事を進めてさっさと退社するのを横目に、モタモタしながらPCとにらめっこをしている私。一台のPCに何十種類もの書類が記録されており、自由に印刷も許されないので、紙ベースの仕事をしてきたものにとって、とにかくつらい。

 自分がこんなにも仕事ができないという事実に直面して、悔しいやら、悲しいやら、情けないやら、いろいろな感情がごちゃ混ぜになって、仕事が終わり駅に向かう途中の飲食店で夕食を兼ねて一杯飲みたくなる。緊急事態宣言が解除されてお酒が解禁になり、仕事帰りの一杯の中生が喉に沁みる。

 

 一年間のおうち暮らしで少し身に着けた調理の習慣も泡と消え、カロリーメイト、ソイジョイ、SAVA ミルクプロテインなど 比較的安価で必要な栄養素を摂取できる機能性食品で昼食を済ませ、夕食はビール付きの外食。炭水化物をできるだけ避けて、肉野菜炒め、焼き魚、アボガドサラダなどたんぱく質と野菜を多く含むメニューを選んでいる。

 

 朝8時前に出勤して、夕食を済ませて帰宅するのが19時前。ほぼ12時間家にいる時間が少なくなっただけで、暮らし方が変わる。購読している新聞を読む時間より、眠る時間を選択している。

 

 昨日は入職一か月目の面接で、若い30~40代の職員が、面接の最後に「社会人として頑張ってほしい」ですって。

 

 「15歳から働いているので社会人経験だけで50年だよ、今更社会人として頑張れって???何言ってんだ。この言葉、そのままあなた方にお返ししますよ」って、ちょっとイライラ、怒りが発生。(言葉には出せないものの、体中に怒りが蔓延。でも、面従腹背で「分かりました、頑張ります」って言わざるを得ない立場。仕事ができない立場の苦しさを、体中で感じる)

 

  帰宅してから「おーお、私怒っているんだ!」って、口に出してみたら、胸の中に固まっていた重いものが楽になってきて、人手不足とはいえ、若い人が60代後半の人に仕事を教えることが大変なんだよ、という思いが出てきた。

 

 そして気が付いた。

 

 役に立たない生活習慣なら、手放す努力を恐れてはだめだって。

 

 紙ベースの記録方式のほうが、わたしには分かりやすいという思いにこだわっていたら、iPADを使いこなせることが難しくなる。

 

 以前は以前、今は今、でしかない。時には、自分が身に着けたものも手放すしかないときもある。

 

 今がその時なんだと。