4件目の面談は都心の高層ビル。

 

 『「大人のADHD」のための段取り力』を参考にして、お出かけをする前に、必要書類の準備、乗り換え方法の確認とメモ、目的地の地図を確認して、時間の余裕を最低20分はとって、やっと乗り間違いと道迷い、忘れ物を予防できた。

 池袋はよく利用するが、それ以外の駅は最近使っていないので、さらに遠くの都心に行くとなると、乗り換えや改札口の間違いが恐ろしい、と思うようになった。何とかなる、と準備をしていないととっさの時に慌てふためくことになるので、やはり下準備が大事だ。

 昨日も、約束の時間より30分も早くついて、エレベーターで高層階で降りて窓の外を見ると、山手線がくねくねして伸びていて、電車が蛇のよう。地上を見下ろせるのは気持ちよいけど、天井が低くうす暗い廊下で待っている気分はよろしくない。

 

 企業だけが入っているビルの階(テナントばかりのせいか)は殺風景で、天井が低く、窓があかず空調システムだけ。床にじゅうたんが敷いてあり、少し埃くさい。窓の外から吹き込んでくる風を感じたくなる。

 

 予定時間になって、担当者が面談室に案内。その事業所の仕事の流れや注意事項、給与支払いの仕組み、勤務態度で気を付けてほいしことなど、かれこれ30分間強の書類の説明が続く。狭い部屋に押し込められていることも手伝って、肩甲骨が下あたりがどんどん凝ってきて痛み出してきた。「ひょっとしてこの会社に私は向かないかもしれない」、ふとそう思う。

 

 高層ビルは頑丈の作られているかもしれないが、こういうオフィスビルは苦手だなぁと余計なことも考えてしまう。

 

 担当者は20代か30代前半の若い女性たちで、マニュアル通りの説明を続けている。

 

 必要とされる仕事について、大丈夫かどうかと数回訊かれる。普段行っているので「大丈夫です」と答えても、怪訝そうな表情をして、「電話相談を受けながらパソコンにそのままドンドン入力していくことはできますか」「残業が毎日二時間か三時間発生しますが大丈夫ですか」とダメ出しの質問を重ねてくる。

 

 一旦採用してしまうと、すぐに採用取り消しはできないという。担当者のイライラした感情が伝わってきて、早く帰りたくなってしまった。

 

 面接開始から、一時間半も経ってしまっているので、面接終了まで座っていたが、帰宅するとどっと疲れが出てきた。体中が凝り固まっていて、シャワーを浴びて、ラジオ体操や柔軟体操をしても凝りがなかなか取れず、横になりながらセルフマッサージ。

 

 緊張しすぎて体中が凝ったのは、何だったんだろうと不思議に思う。

 

 少し埃っぽいオフィス環境のせい? 一方的な担当者の応対のせい?  イライラした相手の感情にまいったのか??

 

 不快感があっても、それを押し殺してじっと我慢して時間を過ごしたせい ??

 

 不快であることを認めて、その影響を受けないで済むようなことを思いつきもしなかった。

 

 心の中で、「嫌だなぁ」ってつぶやいていれば、あれほどまでの凝りは起こらなかったかもしれない。

 

 いっそ、正直に「派遣のお仕事の登録は中止します。貴重な時間をいただいたのに、お断りすることになって申し訳ありません」って、お断りして帰ってきたらすっきりしたのに、って。年商500億円っていうから、私一人お断りしたってどうってことないのに。

 

 今日は、ラジオ体操第一、第二をしたら随分楽になった。体がつらくなりすぎない前に手入れをしなくっちゃ。