【ステビア抗酸化の秘密】 8)

 

『ステビアの抗酸化活性:東北大の実験データ』 3)

 

「魚油を制すればすべてを制す」

 そもそも抗酸化活性の実験になぜ魚や魚油なのか?

 まず、自然界に存在するものの中で、油は特に腐りやすい成分です。食用油にも、魚油、動物油、植物油がありますが、もっとも腐りやすい(酸化しやすい)のが魚油です。

もっとも過酷な魚油の酸化を抑えることができれば、動物油、植物油の酸化を簡単に抑えることができます。

 活性酸素による酸化を制御する方法が確立できれば、老化、認知症、あらゆる現代病、慢性病を予防し、また治療にも大きく役立てることができます。

 東北大グループの「ステビアのリノール酸に対する抗酸化活性の研究」では、不飽和脂肪酸の代表であり、もっとも量の多いリノール酸は体内でもっとも酸化しやすく、しかも現代人の食生活では過剰摂取の害が叫ばれています。“食べ過ぎると血栓を作りやすい”と。

 実験の結果、リノール酸に対してステビア抽出末2000ppmの添加で、なんと抗酸化指数およそ100という数値を得たのです。この数値はMAXの値です。しかも温度70度で六日間、リノール酸の酸化はほとんど進行しませんでした。

 さらにα-トコフェロールとの併用効果を調べたところ、ステビア抽出末、α-トコフェロールともにたった40ppmの少量添加で、抗酸化指数76の値を得た。α-トコフェロール単体(40ppm)での抗酸化指数が50を示したので、76は相当良い数値です。

 次に私たちの体にとって都合の良い脂肪酸は、イワシ、アジ、サバなどの青魚に多く含まれている「エイコサンペンタクエン酸=EPA」や「ドコサヘキサエン酸=DHA」、「オメガ3」といった不飽和脂肪酸です。これは肉の脂肪酸とは逆に血液の濃度を下げて脂肪分の粘り気を和らげ、血液を流れやすくしてくれます。

 エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸、オメガ3の主成分はα-リノレン酸です。

α-リノレン酸は、リノール酸の過剰摂取の害を中和してくれることがわかっています。またリノール酸中のアラキドン酸生成量を減少させて、血管壁での血液凝固を防ぐことがわかりました。さらに血中の悪玉コレステロールを減らして、動脈に血栓ができるのを予防してくれるのです。

 赤血球の細胞膜にこのエイコサペンタサン酸などが取り込まれると、赤血球がより柔らくなり細い末梢血管へも通りやすくなります。

 1970年代に入って、北米のイヌイットの免疫調査で、青魚に含まれるドコサヘキサンエン酸やエイコサペンタエン酸などに、心筋梗塞を防ぐ効果があることもわかりました。

 問題はこのドコサヘキサンエン酸やエイコサペンタエン酸もまた、基本的にとても酸化されやすい成分だということです。

 しかし、ステビアが、その酸化を防ぐことができれば、魚油の有効成分を十分に活用できます。研究目的もそこにあったのです。

 結果は予想通り。マイワシの魚油に対するステビアの抗酸化活性では、ステビア抽出末を2000ppm添加した場合、90という最高度の数値を得ました。これは緑茶の熱水抽出物やα-トコヘロールの役四倍の抗酸化効果です。

 ステビア液は、魚油の酸化を防ぐ卓効を示したと言えます。

                                ステビア博士