新型コロナで解雇・雇い止め 全国で3万人超 5月以降急増
新型コロナウイルスの影響で、勤め先から解雇や雇い止めにあった人が見込みも含めて全国で3万人を超えたことがわかりました。
厚生労働省が、全国のハローワークなどを通じて把握した新型コロナウイルスの影響による解雇や雇い止めは、ことし1月末から1日までに見込みも含め3万1710人にのぼりました。
月ごとに見ますと、4月が2654人だったのに対し、5月は1万2952人、先月は1万2688人と、この2か月で急増し、全体の約8割を占めています。
業種別では、観光客の減少や外出の自粛の影響を受けた、宿泊業や飲食業が目立つほか、製造業でも増えているということです。
一方、こうした解雇や雇い止めを防ぐ対策として、厚生労働省が企業に活用を促している「雇用調整助成金」は、申請が1日時点で約33万件にのぼり、このうち21万件余りの支給が決まっているということです。
厚生労働省は、新型コロナウイルスの影響を受けた企業への助成金の上限を引き上げるなど制度を拡充していて、引き続き積極的な活用を呼びかけています。
国民が苦しい中…国会議員は「ボーナス」満額支給へ、ネットで批判 法的に可能?
新型コロナウイルスの影響による景気の悪化で、企業の倒産が相次いでいます。また、医療機関の中には、外来の受付を停止したことで経営が悪化し、医療従事者のボーナスを減額、もしくはカットする施設もあります。そんな中、国会議員の夏のボーナス(期末手当)は満額支払われる見込みで、ネット上では「国民は身を削っているのに」「議員こそボーナスをカットすべきだ」などと、批判が殺到しています。 新型コロナの感染拡大による国民感情に配慮し、国会議員の歳費(給与に相当)は5月から2割削減されていますが、出張などに使う活動費は削減の対象外で、国民に寄り添う政策としては不十分といった指摘もあります。国会議員は、ボーナスの受け取りを辞退すべきなのでしょうか。また、法律上、辞退や減額は可能なのでしょうか。広報コンサルタントの山口明雄さんに聞きました。
返納は“寄付”に当たる?
Q.そもそも、期末手当の一部返納や辞退は法律上可能なのでしょうか。山口さん「国会議員のボーナスに相当する期末手当の一部返納や辞退は、法律上できないとされています。その根拠として引用されるのは、2004年の第159回国会で政府参考人として出席した、総務省選挙部長の証言です。『議員報酬を国庫に返納するということでありますれば、それは国に対する寄付というふうに評価されるものでございまして、公職選挙法(199条の2第1項)上禁止されているところでございます』。なお、2019年6月、参議院議員が歳費を国庫に自主返納しても、公職選挙法で禁止されている寄付には当たらないとする改正国会議員歳費法が成立しました。同年の参議院選挙から、定数が増えたことを受けて成立した法律で、自主返納期間は3年間、月7万7000円が自主返納金額の目安となっています。また、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国会議員の歳費を1年間2割削減する改正歳費法が4月に成立しています」Q.新型コロナウイルスの影響で赤字となった医療施設が続出し、医療従事者のボーナスが減額、またはカットされる事例も発生しているようです。国会議員は特例を設けるなどして、期末手当の受け取りを辞退すべきなのでしょうか。山口さん「多くの国民が新型コロナウイルスの影響で苦しんでいるため、国会議員は期末手当の少なくとも一部は辞退すべきだと考えます。しかし、『公職選挙法に違反するため辞退したくてもできない』と主張する国会議員もいるのではないでしょうか。先述した、総務省の選挙部長の証言『議員報酬を国庫に返納すれば、公職選挙法199条の2第1項で禁止されている国に対する寄付行為にあたる』という根拠が理解できません。条項には、『公職の候補者や国会議員などは、選挙区内にある者に対して寄付をしてはいけない』と書いてありますが、選挙部長は『当該選挙区内にある者の中には、当該選挙区内にあるすべての者を意味し、自然人や法人のほかに、国や地方公共団体も含まれると解釈している』と証言しています。一人の市民感覚からすると、議員報酬の返納を簡単にできなくするための“こじつけ”の法解釈のように思えるのですが、いかがでしょうか。議員が報酬を国庫に返納すると、どんな不都合が発生するのでしょうか。衆参両院の事務局によると、6月30日、議員1人当たり318万9710円の期末手当が満額支給される予定です。議員は衆参合計で713人ですから、約23億円の血税がボーナスとして議員の懐に入ることになります」Q.国会議員のボーナスが満額支給されることで、今後、どのような影響が考えられるのでしょうか。山口さん「国民の苦しみを自分のこととして分かち合おうとしない政治家への落胆や批判、信頼できないと考える国民の感情が膨らんでいくと思います。6月8日に発表されたJNN世論調査では、安倍内閣の支持率が39.1%と、第2次安倍政権発足後、最低水準となったことが分かりました。コロナ禍で、多くの国民は苦しんでいます。しかし、一律10万円の給付金支給も、中小・個人事業主への持続化給付金も支給が滞っています。それだけではなく、持続化給付金の支払い業務を受託した“怪しげな法人”が中抜きしているのではないかという疑惑が生じています。また、総額約32兆円の2020年度第2次補正予算が6月12日に成立しましたが、3分の1を占めるのは、10兆円という過去最大の『予備費』です。多額の予備費の問題点は、使い道を内閣に白紙委任(条件をつけずに任せること)することにあります。この予算を成立させた国会は、自ら予算審議の役割を放棄する自殺行為を選んだともいえるのではないでしょうか。国民の政治家に対する目は厳しさを増すばかりです」Q.国会議員の歳費は5月から2割削減されています。与野党の幹部は2割削減について「われわれ自身が範を示す」などと話していましたが、本当に国民の目線に立った政策なのでしょうか。山口さん「到底、国民が納得できる削減額ではないと思います。多くのメディアでは、国会議員が1年に自由に使えるお金には、給与に当たる『歳費』のほかに、『期末手当』『文書通信交通滞在費』『立法事務費』があり、合計は1人当たり4170万円、歳費の2割減は実質、全収入の7.5%程度の削減にしかならないと報道しています。この件については、ネット上でも批判が噴出しています。コロナ禍により、明日の生活の見通しが立たない人、事業の継続が危ぶまれる人が多数いると報道されている中で、月額347万5000円の収入の中から26万円程度を返納しても『われわれ自身が範を示す』ことになるのか疑問です」Q.新型コロナウイルスで国民の生活が厳しくなる中で、国会議員がすべきことは。山口さん「政府・与党は会期末の6月17日に国会を閉会しましたが、会期を大幅に延長し、与野党が力を合わせて山積みの課題や問題に取り組むべきだったと考えます。まずは、一律10万円の給付金支給と中小・個人事業主への持続化給付金を一日も早く支給できるようにすることが最優先です。支給の遅れのために倒産したり、生活が破綻したりする人たちが続出するとの報道もあります。また、感染の第2波に備えた対策の導入に加えて、日本経済をどう立て直すか、学校教育の遅れをどうやって取り戻すか、先進国の中で遅れが目立つと言われるIT化をどう推進するかなど、国会で議論を重ね、日本の針路を今定めければならないことが山積みです。国会議員には、今こそ全力を尽くしてほしいと願っています」
https://news.yahoo.co.jp/articles/788815ea73789b0b503487c096b8a14b7d4c5e7f
新型コロナ 国会議員は「手当」総額450億円余を返納して医療従事者の支援に充てろ
緊急事態だと言って民間には自粛を求め、それで国会議員は約2200万円の報酬に領収書抜きの経費年1200万と年720万円の使い方自由の事務費。加えて政党全体で350億円の政党交付金。これら全部税金。今こんなにもらうのは申し訳ないと思う国会議員は日本の国にはいないのか!
橋下徹氏は4月13日にこうツイートした。橋下氏は出演したテレビ番組でも同様の主張を繰り返しており、ツイッターも拡散を続けている。4月19日現在で16万超リツイート、49万超のいいねを獲得し、更に拡散を続ける勢いだ。橋下氏の言説には批判も有るが、国会議員713人(衆議院465人、参議院248人)という多さを考えると、無視できる話ではない。まずはその内容を確認したい。
国会議員の歳費は「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」で決められており、月額129万4000円となっている。つまり年間だと約1553万円となる。これに上記法律で決められた期末手当が加わる。それは在任期間によるが、通常は約635万円になる。このため、歳費の合計は年間で2188万円。これは橋下氏の指摘する「約2200万円の報酬」と符合する。
次に「領収書抜きの経費年1200万」を調べる。この経費は金額と「領収書抜き」という条件から、文書通信交通滞在費のことと考えられる。文書通信交通滞在費は「公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため」と規定されており、前述の「国会議員の歳費、旅費及び手当等の法律」で、議員1人につき月100万もらえると規定されている。つまり国会議員1人につき年間1200万円が支払われている。これも橋下氏の指摘通りだ。
その次に「年720万円の使い方自由の事務費」を見てみよう。この事務費は立法事務費で、「国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律」に基づいて支払われている。この立法事務費は国会議員の立法に関する調査研究の推進に資するための必要な経費として支払われることになっており、議員1人あたり65万円で、年間780万円になる。議員それぞれに渡されるのではなく、国会内の会派に支払われることになっているが、1人でも会派の届け出をすれば受け取れることから、実質的に議員1人に配られると計算しても間違いではない。これは実際には橋下氏の指摘より額が大きい。
これらは全て国費から賄われており、橋下氏が指摘しているように、「これら全部税金」であることも間違いない。
もう1つ橋下氏が指摘している「政党全体で350億円の政党交付金」を見てみよう。
これは政党助成制度によるもので、「国が政党に対し政党交付金による助成を行うことにより、政党の政治活動の健全な発達の促進及びその公明と公正の確保を図り、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的」としている。つまり税金で政党の活動を支えるというもので、総務省によると2020年は317億円余の支出額が4月に確定し、共産党を除く各党に今後、段階的に支払われることになる。
この金額は国民1人あたりに250円を掛けた金額となっており、乳幼児を含めた国民1人あたりコーヒー1杯分を負担するという計算だ。橋下氏指摘の「350億円」は実態より多いが、指摘の趣旨が異なるものというほどの違いではない。
ところで、自民党と立憲民主党が、国会議員の報酬を一律20%削減することで合意したという。その削減は月額で1人あたり20万円余となっている。それによって浮く国費は国会議員713人で17億円余でしかない。
ただ、仮に橋下氏が報酬2200万円を返上しろという趣旨であれば、私はそれは違うと思っている。例えば、国会議員は無報酬でやるべきという意見は昔からある。しかし、それでは資産家しか国会議員になれなくなってしまう。それは冷静さを欠いた議論かと思う。
そこで、この危機に際して、報酬以外の「手当」の返上を提案したい。先ず文書通信交通滞在費と立法事務費について、今年分は返上する。加えて共産党を除く各政党に配られる政党交付金も返上してもらう。それで合計で450億円余が捻出できる。報酬20%削減で浮く17億円余を加えれば、政府による布マスクの配布、いわゆるアベノマスクの費用を上回る額となる。それを厳しい環境の中で日々、自分の身を削って奮闘している医療機関への支援に使うべきだ。それは医療従事者を支援する貴重な財源となるだけでなく、国会が医療従事者を支えるという姿勢を示すものとなる。
国会議員報酬の削減は、こうした取り組みと一緒に行われなければ、単なるポーズだと批判されても仕方ない。人々の状況が更に厳しくなることが予想される中、批判は今後強まるだろう。今からでも遅くはない。国会は直ぐにでも総額450億円余の返納を決め、それを新型コロナの対策費に充てるべきだ。
※インファクトはFIJの新型コロナウイルスに関する情報のファクトチェックの取り組みに参加しており、この記事の調査にはFIJリサーチャーの藤直哉が関わっている。
https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20200425-00174553/