※このブログは完全に主観的な独断と偏見で書かれたものです。

 

 

1、酒への偏見

「酒の強さで人生は狂ってしまう。(狂わされてしまう)」

急にどうしたという質問は受け付けない。まずは最後まで目を通して欲しい。

 

この世の中には2種類の人がいる。

それは、「酒が飲めなくて可哀想な人」と「酒が飲めてしまうからこそ可哀想な人」の2種類だ。

 

前者は想像し易いだろう。例えば、普段はめちゃめちゃ面白くてみんなの中心にいるようなイイ奴なのに

遺伝子レベルで決まってしまっているどうしようもないアルコール分解能力が運悪く弱い為に、

 

男の場合、暗黙の了解で酒が強くなければいけないという謎の空気があり、弱いと見下される

好きな女の子を逃してしまう(その子がめっちゃ酒飲みだった場合、自分より弱い男はつまらないと思われる)

交流の幅を広げられない(大人社会ではやはり酒というツールを介しての方が圧倒的に関係性を構築しやすい為)

取引先から気に入られるチャンスを逃す(運良く酒が飲めるというだけで気に入られる事もある)

etc...

 

上記のような様々な困難にぶつかるだろう。

もちろん酒の強さなど、どうしようもないものだし、上手く立ち回る事で飲めないなりに上手く人生を渡り歩いている人がほとんどだろう。

だがしかし、酒の強さが人生に与える影響はとても大きいのも間違いない。

例えば、カップルの場合、「酒飲み」という共通項が強力なアクセルとなり、結婚を後押しする重要なファクターになり兼ねない。「将来は夫と一緒に朝まで飲み明かしたい」という夢を描いているバケモノ女もいるだろう。

この例は極端だが、本当に酒の力はすごい。魔法とも言える。

女の子を落としたい時にはまず飲みに行くし、同性の相手でも関係性を深めたい場合はまず盃を交わす。

子供の頃は一緒にサッカーボールを追いかけるだけで友達と言えたが、大人になると何かしらのツールに頼りがちだ。

 

とまあ、ここまでは誰もが一度は考えた事があるだろう。

 

私が本当に伝えたい・語りたいのは後者の方である。

「酒が飲めてしまうからこそ可哀想な人」だ。

もっと具体的な事を言うと、「普段パッとしないのに酒が飲めてしまう男女」である。

 

これは決して飲み会の場で飲まされるから、というような短絡的な理由ではない。

私は、全く違う角度から酒が飲めてしまうからこそ可哀想な人を考察する。

 

 

2、酒による開花

これを痛感したのは大学時代の事だ。

普段はおとなしい人が居酒屋だと何故か強気に。

男女問わず、特に学生時代あまり突出した才能が無く、目立っていなかった人ほど強気になる。

酒が飲める陰キャラは急に声が大きくなり、その場の主導権を握ろうとする。(一気飲みをする時の目はガンギマッている)

酒が飲めるブスは可愛い女を見下すような態度になり、かなり強気になる。「○○ちゃん顔赤くて可愛いね〜、私も弱く生まれたかったわぁ〜、まじ女って見られないからな〜」等というテンプレのセリフを吐く。(ちなみに泥酔した男とのワンチャンを狙っている為、意地でも三次会まで行く)

ここまでは許そう。酒の力を借りて気が大きくなり、通常時のステータスでは勝てない人間に勝ったような気になるのも分かる。

それぐらいはイイじゃないか。その人達が学生時代苦渋を舐めてきて、やっと日の目を見れるチャンスなのだから。

 

だがしかし、最も危険なのは、そこで味を占めた人間が、

「酒があれば俺・私はイケる」と思ってしまう事だ。

このスタンスを一度持ってしまうと人生の歯車が狂い始める。

何故なら、ある種の「酒への逃げグセ」のようなものが無意識のうちについてしまうからだ。

これは大げさではない。例を挙げよう。

 

Case1 「クラブに通う陰キャ」

皆さんも一度は目にした事があるだろう。「何でお前みたいな大人しそうなヤツがこんな所に?」という状況を。

答えはシンプル。「酒が飲めるからこそ、夢を見てしまう」からだ。

普段であれば絶対に相手にされないレベルの女でさえも、お互い酔っていればワンチャンがあるし、

そもそも酒が飲める時点で自分がカッコよくなったと錯覚するし、強気になる。

男=酒が飲めたらカッコイイ、という暗黙の認識が彼らを駆り立てる。誰でも運だけでその能力を手にしてしまうからだ。

酒は夢を見させるのだ。しかもその夢の見させ方は一種の麻薬に近い。

そのクラブにいる一瞬だけならまだいい。しかし、人は病み付きになる生き物であり、

一時の快楽(自分が強くなった、レベルアップしたという勘違い)に依存してしまう。

その結果何が起こるか。

「本来自分がやるべき事、努力すべき事、を怠り、投げ出し、酒に逃げる」のだ。

もっと言えば、「酒の場での自信を持った自分へとすがりつき、現実逃避をしてしまう」のだ。

ここで言う酒に逃げる、とは、アルコール中毒のような逃げ方ではなく、あくまで自分に酔いしれる為のツールとしての意味合いが大きい。

そうやって逃げ続けた結果、根本的にその人の考え方が変わってしまう。

 

例えば、大学に進学した直後の事を思い出して欲しい。

サークルの新歓で、あまりパッとしない新入生が、びっくりする程酒に強かったらどうだろう。

「おい!こいつ飲めるぞ!」という先輩の声が容易に想像できる。そうして今までの人生では一度もなかったレベルの待遇を受け、

驚く程スピーディーにサークルという輪に溶け込める。酒が飲めただけで、特に面白い事を言わなくても、その場に居て、

ただただグラスを傾けていれば、そこにいていいという資格・免罪符を与えられる。

スポサーにも一人はいるだろう、スポーツ音痴だが酒だけ飲めるから存在意義があるやつ。

こうなったらもう最後だ。これまでの人生は間違いだったんだ。ここから新しい人生が始まるんだと言わんばかりの勢いで、

様々な日常生活で、何かと酒を絡ませながらマウントを取り、自分に酔いしれ、飲めない人間を見下すようになる。

挙句の果てに酒が弱く1杯で赤くなっている人間に対して、「すぐ赤くなるのいいよなー、俺もそうなりたかったわー。だって飲まされなくていいじゃん!」とほざく。絶対にその能力を手放したくないクセに。その能力が無ければ自分には何も無いという事を自分自身が一番分かっているのだ。

 

話を戻そう。上述のような学生生活を歩んだ酒が飲めるインキャはどうなるだろうか。

本質的に中身が空っぽな事に気づくのは就職活動の時期ぐらいだろう。今までのように酒の能力は何の役にも立たない。

だが気付いた時にはもう遅い。酒が飲めてしまったばっかりに、変に悪ぶって勉強や自分磨きをしてこなかった事のツケが回ってくる。自分が生きるべきフィールドを履き違え、その一種のパラレルワールドから解き放たれると、誰も助けてはくれない。

何故なら、これまでの関係性やコミュニティーは、酒が飲めるからという1点でのみ、かろうじて繋がっていられたから。

そうして中途半端な会社へ就職してしまうが、これまた酒の力をすぐに借りる事になる。

その会社内で酒が飲めると、簡単に地位を確立できるからだ。特に話が面白くなくても、上司から飲みに誘ってもらえる。

その結果、なんだ、やっぱり酒が飲めるのが最強じゃん。俺はやっぱり通用するんだ。と大きな勘違いを起こす。

毎週末、恵比寿・六本木へ繰り出し、クラブやバーでワンチャンを狙い、撃沈。だが、まあ酒飲めたからいいや。と反省もしない。

何度も強調するが、酒の怖さは、「自分が勝負すべきフィールドを勘違いさせてしまう」という部分にある。

 

もしこの登場人物が、酒を一滴も飲めなかった場合、どういう思考回路に至るか。

「酒が飲めない分、トークを磨こう。」「会社で飲まされるのが嫌だから、もう勉強して起業しよう。」「女の子を酒無しで落とすためには何が必要だろう?」「酒がなくても楽しめる人生にしよう」等、様々な方向へ矢印を向ける。そしてその劣等感から努力するようになる。

この努力が成功するかどうかは置いておいて、人間として深みが出るのはどちらだろう?

圧倒的に後者だろう。重要なのは、自分の立ち位置を客観的に考察し、どの路線・どのフィールドで勝負すべきかを自分の頭で考えながら生きる事だ。決して背伸びはしてはいけない。身の丈は超えるな。

酒が飲めてしまったばっかりに、無駄に時間と金を浪費し、一時の快楽に溺れ、努力を怠る。人間としての中身が何も無い。

いつまでも高校生時代の自分を思い出し、その頃とは違うんだと自分に言い聞かせる。

なんて悲しい事だろう。たまたま酒が「飲めてしまった」ばっかりに。

 

酒が飲めるという能力は本当に考えものだ。

持つべき人が持たなければ、人生を狂わせる。悪魔の力だと思う。

 

あとシンプルに思うけど酒が弱い人はアルコール中毒に絶対ならないよね。

なぜなら味吐きするから。酔う前にまずいがくるからそもそも飲めないよね。

酒に溺れてたってカッコつけた言い方だけど、酒弱い人からしたら、

あー、味が無理でよかったー。酒に逃げるクセが無いからシンプルにどうやったら悩みを解決できるか冷静に考える事しか思いつかないわ。ってなるよね。

 

特なのか損なのかわからんね。

 

思いの外書きすぎてしまった為、

Case2は次の記事にて書くとしよう。

次は酒が飲めてしまうブスについてだ。