ホンモノの京都体験などとよく耳にするが、ありゃいったい何なんだろう。
確かに限られた時間・予算の中でよりよい旅にしたいのは同感だが、「ホンモノ」
の意味が分からない。ひょっとして誰でも気軽に入れるところはニセモノで、よく
言う「一見さんお断り」とか「お茶屋遊び」がホンモノなのだろうか。
ボクが勉強した限りでは、京都の文化は「無粋なものは疎まれる」という感じ
がする。だから所詮ヨソサンやし、と割りきって無理にでも入り込めないところに
割り込むような行為に「粋」を感じない。ボクからしたら、前にも書いたが、神社
に湧いてる井戸水を汲んだり、錦でホンモノの魚屋さんが出してる300円くらい
の串ものを食するのだって立派なホンモノ体験だ。
なんて言ったらカッコエエが、チャンスがあるのならそういったホンモノさんと
触れ合ってみたいものだ。特に舞妓さんとなんて普段はたまたまいてはるとこ
を激写するぐらいしかなく、直接お話なんてムリやろなーと思っていた。
そしたら何とありました。気軽に舞妓さんとお話できるところが。
東山の旅館「祇をん新門荘」です。
こちらは夏季限定で屋上で「舞妓とビアガーデンの夕べ」と称してお酒を
飲みながらホンモノの舞妓さんの京舞を鑑賞したりできるのだ。また、舞妓さん
が各テーブルを10分くらいで回ってくれ、お話もしてくれる。
当時の上司と出向いたときは、宮川町のとし花さん がお越しでした。
(携帯カメラだったんで画像が悪いなー)
いざ、我々のテーブルへ・・・結構緊張します。
特にあれも聞こうこれも云おうなどと準備もしてなかったのですが、酒のせいか
ホンマ言葉が出てきません。上司が歳は幾つだの舞妓になって何年だの
聞いてるうちに、検定試験で勉強した知識を呼び戻そうと「宮川町は何をどり
やったかな、提灯の模様は、今月の花かんざしは・・・」ちっとも浮かびません。
ペーパーテストだけで何の役にもたたんやないかー。なんとか記念撮影だけ
パチリ。あっという間に10分が経ち、とし花さんは次のテーブルへ行きました。
あっという間でしたが、ボクには「ちょうどいい」舞妓体験でした。とし花さんは
やはり着物もピシっと決まっていましたし、何と言ってもその「所作」の美しさ。
数年後見ていたテレビにご出演され、襟替えされて芸妓さんになっておられ
ました。お顔立ち的に芸妓さんの方がお似合いかなと思いました。
それなりに値は張りますがお茶屋遊びよりはお気軽です。
上七軒でもビアガーデンがあるそうなので、次はそちらにも行ってみようかと
思います。