ブログもデビュー編終了、最初は(表現は悪いですが)客寄せパンダ的な部分もあり、なるべくキレイな写真を前面に出しておりましたが(^^、いよいよ本編突入といったところ??でしょうか・・・これからも参考にさせていただきますので、読者の方々忌憚のないご意見をお待ちしております。
さてピンポイントで京都のどこを書こうかと、ひととおり考えを巡らせましたが、僕の中ではやはりここ、洛北幡枝の円通寺 をご紹介することにしました。僕の中では京都の庭園の最高峰です。まずは写真を・・・
円通寺は、後水尾法皇が建立されました。この方は江戸幕府ができた時の天皇(法皇)です。徳川家は幕府の基盤確立を図り朝廷の政治介入を防ぐために禁中並公家諸法度を制定する一方、後水尾はじめ朝廷に莫大な資金を投入しました。アメとムチですね。このお金で好きに遊んでてください、その代わり政治には口出すなよ といったところでしょうか。
その意向に乗るしかなかった後水尾は別荘や庭園造りに没頭しました。一番の有名どころでは、そう 修学院離宮ですね。
円通寺の建立に当たっては、後水尾は比叡山を美しく鑑賞できる場所をなんと12年もの歳月をかけて探し、ようやくこの地に決定されたとのこと。円通寺庭園は比叡山をとりいれた借景庭園です。
方丈の軒廂が横軸、まっすぐに立つ木々が縦軸となり、あたかも一幅の絵画のように見せています。また、前方の柴垣の高さは方丈に人が座った時の高さに設定されており、遠近感を狂わせて比叡山を平面的に取り入れる効果の一助としているとのこと。
ここで前後しますが、私なりのこの庭園のお勧め鑑賞法をひとつ・・。お寺に入る前から比叡山が見えてますので、その景色をよ~く眺めてください。私の印象ではひときわ高くそびえ、かつては叡山の荒法師の住むところとして畏怖された雄々しい大比叡 といった感です。その後に庭園から比叡山を眺めてください。先ほどの効果で雄々しい印象が薄れ、別の顔を見せてくれるような感じです。
数年前に訪れましたが、噂に違わぬ素晴らしさ・・私は時を忘れて只々この借景庭園に見惚れておりました。
冒頭で書きましたが、なぜ私の中の庭園NO1かといいますと、その印象の素晴らしさ・滞在時間の長さとも今のところNO1 だからです。
そしてもう一つ理由があります。
借景庭園ですので当然ながら実際は庭園と比叡山の間には物理的な距離のはなれが存在するわけです。時代とともに間の地域の開発が進み、もうこの素晴らしい風景がいつまで維持できるかわからないそうです。庭園からすれば絵を描きかえられるOR傷を入れられるようなもので、お寺側も何とか維持するため間の土地などをできる限り買い入れたりされたそうですが・・・いたしかたないでしょうか。そういったこともあり、かつては写真撮影が禁止されておりましたが、今では景色を少しでも多くとどめてもらうためにOKにされております。
私は必ずもう一度この庭園に会いに行きます。できれば春夏秋冬、定点観測といったものをやりたいと思ってます。
みなさんも機会がありましたら、この京都一儚い庭園をご覧になっては如何でしょうか。
*因みに拝観に当たっては、団体禁止・お子様禁止・私語禁止などの
規制があります。これも庭園の美観を共有するためのこととして、
遵守いたしましょう。