今日の訪問リハの課題は、前回と同じく、「麻痺足にしっかり体重をのせて、健足を大きく前に出す」です。
今回も、またまた苦戦、です


まず、体をシャキっと伸ばして、麻痺足に体重をのせます。
先生は、夫の麻痺側に椅子を置いて、その上に立って、夫の麻痺手を持ち上げて、まっすぐ上に、、、そして、少し麻痺側に引っ張る感じで、夫の体を麻痺側に傾けます。

これで、麻痺足に体重がしっかりのった、んですが、残念なことに夫は、安定してその姿勢を維持できないんです。
先生は、椅子から降り、今度はその椅子に腰かけて、ヘッピリ腰になりかける夫のお尻や足にさわりながら、
「お尻に力を入れて!お膝、コントロール!」
そして、「はい、どうぞ!」と、麻痺足の前に置かれたスリッパをまたぐように、促します。

夫は、麻痺足を前に出そうとすると、怖くなり、杖を握り締め腰を引いて前のめりになります。
段を上がる時の、いつもの格好です。
先生は、その恰好を変えたい、と思っています。

「ダメ!やりなおし!今までやってきたことを思い出して!」
そうなんです。同じような練習は、去年、しっかりしたはずです。
なかなかできない夫を見て、先生は、スリッパをどけて、発泡スチロールのブロックを健足の前に置きました。
去年繰り返しやった練習は・・・
夫の前に先生が立ち、先生の肩を持って支えにし、健足をブロックの上にのせる、というものです。

「支えが、私の肩から杖に変わっただけですよ」
それでも、夫は怖がって、首を振ります。
「あきらめてる?いえ、できます、できますよ!」
先生は、夫がヘッピリ腰にならないよう、そして夫を安心させるためか、夫の麻痺足に抱き着くようにして支え、頭を夫の背中にくっつけました。
「大丈夫です!足を上げて!」

私も、じっとしていられずに、夫の前に立ち、
「頑張って!上げて!」
おばさんの応援団まで現れて、夫は、腹をくくったのか?
やっと、健足をブロックの上に上げました。
私は、「やった!やった!」と大喜び

もう、リハの終了時間は、過ぎています。

先生は、まだ不満そうでしたが、最後に夫を少し歩かせました。
「体重が軸足にしっかりのれば、こんなに大きく足が出せるでしょう?覚えていてくださいね」
「ありがとう、ありがとね」
夫にも、先生の熱心さが伝わっているようです


なぜ、夫がこんなに出来ないのか?というと、やはり恐怖心だそうです。
「できた!」という経験をさせて、自信をつけさせることが大事だそうです。

先生は、帰る時、玄関のあがりかまちを見ながら、
「この段差をきれいに上がりたいですね。」
今の夫の上がり方は、私が見ても、メチャクチャです。
半年後?何とかなってるかなあ