ななすけのブログ シンイ二次小説〜勝手に妄想日記〜

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シンイ大好き!二次書いてみました。

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次の日の朝、
ウンスはまたお粥を乗せたお盆を運んでいた。
今日の空は曇模様。まるでウンスの心を表す様にどんよりと暗い雲が大空を覆う。
ウンスは足を止めるとそんな空を見上げた。
優しかった頃のヨンの顔が空に浮かぶ。しかし直ぐに昨日の赤の他人を見る様な冷たい視線が遮った。思い出すだけで胸が張り裂けそうになる。でも‥

ヨンと離れた時の方がもっと辛かった。会いたくても会えない。生きているかも分からない。あの時よりは側に居られる今の方がずっといい。

ウンスはスゥーと息を吸い込むと気持ちを切り替え、いつもの様に笑顔を作った。

こんな事で落ち込んでいられない。
私を覚えていなくてもいい。
貴方の側に居られるだけで十分幸せ。

おっと、お粥が冷めちゃう。
手に持つ粥に目を向けるとウンスはまた歩き出す。

そうよ、ウンス。いつまでもメソメソしていられない。これからまた始めればいい。きっと思い出してくれる。だって私達は運命の相手よ。私はヨンを信じてる。

もう外に出てもいい頃ね。全部食べたら主治医の私との散歩のご褒美付きよ。これなら食べてくれるよね。私って頭いい〜。
ニヤリと笑みを浮かべると今日こそはとユラユラ湯気立つ粥にメラメラと闘魂注入、気合いを込める。そして部屋の前に着くと意気揚々、頼もう!と門宛ら戸を叩いた。

コンコンコンッ!!

「ヨン!‥さ〜ん。私よ。入るわね。‥‥あれ?」

そっと扉を開けたが中にヨンの姿はない。
今日もまたウンスの気合いは無惨に散った。



もう!ヨンったら!何処に行ったの!?

主治医の許可なく勝手に外に出たヨンに少々苛つきながらウンスは皇宮の中を探して回った。

「あ!叔母様!ヨンを見ませんでしたか?」
「はて?見ておらぬが‥‥ハッ!ウ、ウンス殿。そ、それより、顔に‥」
「叔母様も見てないのね。ありがとうございます。急いでるんで、それじゃあこれでっ!」
「こ、これ!待たぬか!だから顔に‥!!」

警護中のテマンを見つけ、
「テマン君、テマン君!ヨン見なかった?」
「見ておりませぬが‥大護軍が居ないのですか!?一体何処へ行か‥‥ハッ!!そ、そ‥それよりお、お、お‥奥方様。お、おか、か、か、か‥」
テマンの中で葛藤が始まる。
おいらが取って差し上げねば!‥でも女人の顔に触れる等‥されど、おいらが取らねば誰が取る!‥で、でも此の方は大護軍の奥方様。で、でもっ!!
「おかかって‥‥かつおぶし??」

宣仁殿では、
「王様。ヨンを見ませんでしたか?」
「大護軍が居らぬと?其れは一大事!一体ど‥‥ハッ!プッ!こ、此れは失礼。‥ププッ!」
「もう!王様まで‥顔に鰹節でも付いてます?」
すると王妃がウンスにニッコリ微笑み、
「ウンス殿。鰹節ではありませぬ。お顔に米粒が付いておりますよ。取って差し上げますね。」
「え?な〜んだ。王妃様ありがとうございます。」



最後に辿り着くのはあの場所。しかし‥

やっぱり此処にも居ないのね‥

以前なら見失えば、大概此処園庭に居た。
あの橋柱にもたれ掛かり、あの東屋の涼台に座り‥
橋上から池を眺めたり、新緑の桜の木の下で此方に振り向き優しく微笑むヨンの姿は何処にもない。私の知るヨンはもう居ない。
ウンスの瞳に涙が滲む。でも‥

何だか嫌な予感がする。
じっとなんてしてられない。
今にも雨が降り出しそうな空模様。


ウンスは込み上げる感情を胸に沈めると涙を堪え、パタパタとその場を走り去って行った。




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