メールを開いてげんなりする。


ご連絡:


『相手方が弁護士を雇ったようです』


次の調停日まであと十日、というタイミングで。

自弁の至極あっさりした件名ともに送られてきたメール。


添付されていた答弁書と題されたPDFには、クズ夫が契約したらしき弁護士の名前とともに、


『不貞行為は否定する』


『離婚する理由はない』


『相手方は定年間近であり、高齢の母の世話も抱えている』


『申立人は〇〇万円を相手方の口座から勝手に引き出した。婚姻費用の支払い義務はないと考える』


『婚姻費用の支払いを望むのならば、〇〇万円は返金していただきたい』



などという、

どこかで聞いたような、記憶から消し去りたいようなフレーズが並んでいた。


頭痛が痛い。


でも。


(こんな時のための証拠だよね凝視


そう思い、


『相手方の弁護士さんについては了解いたしました。

それと引き出したお金の件ですが、

引き出す前にしたやりとり(長男vsクズ夫)の録音を、文字に起こしておいたほうが良いでしょうか』


と、返信で一応お伺いをたててみる。


内心、


(勝手に引き出した、ですって?

『好きにすれば』って言ってたでしょうが!)


↓※参照


はらわたが煮えくりかえっておりましたむかつき

スマホで返信おくりながら、PC起ち上げちゃうくらい。


が。


『文字起こしはしていただいても結構ですが、今のところは使いません。

その前に、準備していただきたいものがあります』


(い、要らなかった……!てか、通帳の記帳?コピー?)


速攻できた電話にあわあわしながらメモを取るナナシ。

弁護士さんの言うことには。


『繰り返しになりますが、証拠は裁判で使いたいので調停ではなるべく出さないのが吉です』


加えて、


『次の調停で離婚調停を申立てると宣言します。

内容は相手方への慰謝料請求、財産分与、年金分割。

引き出したお金は、そのうちの財産分与に分類されるものであること。

こちらの通帳の写しを根拠として提出した上で、引き出した金額は相手方が持つ残高とほぼ同額であることを主張すれば、相手方は婚姻費用を支払わざるを得なくなると思われます』


『ついでと言ってはなんですが。この機に乗じ、相手方の財産も全公開させちゃいましょう』


口調は変わらないのに、なぜか言葉尻に"♪"がついているような。


『ですのでお手数ですが、ナナシさんもご準備のほうよろしくお願いします^_^』


「………凝視…………。はい」


『では』


一気に、必要なことのみ言って電話を切った。

仕事、早いなー…弁護士さん。


(私の弁護士さんで良かった)



ゾッと、いや、ホッとしながらナナシは静かにPCを閉じたのでした。