良く晴れた、6月1日、お昼過ぎ。

我が家のロム（猫）が、一年間の長い闘病生活を卒業し、7歳2か月で永眠しました。

まずは、このブログを通して、応援してくださった方々

励ましてくださった方々

本当に有難うございました。

私もロムもとても幸せです。

眼窩の腫瘍から始まった、病気との闘い。

口の中に転移したと思われる腫れが、少し悪化したと思えば、ほんの少しだけ炎症が落ち着いたり…を繰り返していましたが、先週は日に日に出血が増えていました。

プレドニンというステロイド剤と、動物用抗生物質を併用していましたが、プレドニンは人間にもよく使うお薬で、小さな小さな一錠を、人間でも半分にしたり、1/4にしたり、時には1/6といった量で調節して使う、小さくても作用が強いお薬です。

それを、1錠使用していましたが、それでも日に日に腫れは大きくなりました。

金曜日の朝、今までで一番出血があり、それでも頑張って食べていました。

食べた後、腫れた部分が痛むのか、右手で辛そうに触っていました。

右手を濡らしたガーゼで拭くと、今までの血の汚れで真っ赤に。

きっと、ここ最近右手が少し汚れてきていたのは、陰でこっそり腫れを触っていたからでした。

今はもう陰でやる余裕も、なかったんだと思います。

先週は、パッと見ても腫れが少し引いていた部分も、今は明らかに盛り上がり、口が常に半開き。

その時、思いました。

もう、これ以上闘わせるのはやめようか…。

それでも、昼にはお腹が空いたよ！と出てきてスリスリしてきたり、ブラッシングすると、気持ち良くて更にゴロゴロ。

そんな姿を見ては、心が揺らいでみたり。

体重もそれ程落ちてないしなぁ。

と思い、これまでの写真をずっと遡って見ました。

体重は落ちてないのに、体の張りや、良いと思っていた毛並みも、今と全然違う…

眼の大きな手術をした後でさえ、今より黒々していて、フワッとした毛並み、身体もしっかりしていたことに気付きました。

ああ。私、体重が減ってない事を理由に、この子の体格の変化、見て見ぬ振りしてきたのかな。

気が付けばすっかり華奢になってしまった、ロムの腰の辺りをさすりながら、思いました。

顔も、1か月前とまるで違う。

毎日少しずつ変化していると、見慣れてしまい、改めて見比べてハッとしました。

その夜、旦那と夜中の1時まで話し合いました。

旦那は、冷たいようだけど、冷静に物事を見る人です。

昔、獣医師を目指していたこともある程、本当は動物が大好き。

毎晩、布団を敷くと旦那の足元に甘えにきていた子がここ数週間来なくなった時、もうダメなんだな…俺にそういう姿は見せたくないんだな。と思っていたそうです。

ここまで手術を繰り返す事も、心底賛成では無くて、完治する見込みが薄いと感じた最初の段階で楽にさせてあげるのが自然では？と思っていた旦那。

そして、

手術をして辛い部分に対処すれば、まだ元気を保てそうならば、そうしてあげたいと思った私。

何となく、私が強引に押し切る形で進めてきた治療ですが…

しかし、今回はもうお互いの意見が合致しました。

もう、これ以上、何かをして改善する事は無いね。

ご飯が大好きなこの子にとって、一番辛いのは、きっと1週間後、2週間後に訪れる、「食べたいのにもう食べられない」状況。

段々と脚の力もなくなり、歩きたくても歩けない、食べたいのに食べられない、そんな辛さを味わうくらいなら…という思い。

そして、そんな姿を見たくない、私の弱さ。

もし、この子が自分なら。

うん。私なら、もこのまま衰弱するしか無いくらいなら、迷わず楽になりたいな。

旦那も同意見でした。

やはり、家族全員で看取りたいから、今週末病院へ行こうか…。

翌朝、食欲もあり、ご飯をねだりに来ました。

辛そうだけど、おかわりをねだる姿が、涙で曇りました。

私は、もう決めた事に対して、余計な感情が入り込まないように、わざと元気に声掛けしてブラッシングをしました。

綺麗に顔を拭いてあげて、手を拭いて…

いつもの作業を淡々と。

息子の朝ごはんも終えて、洗濯をした頃、動物病院が診療開始の時間に。

気持ちを引き締めて、安楽死の依頼の電話をしました。

受付の方から、いつもの獣医師に電話が代わった時、涙が出そうになったのを必死で堪えました。

「うんうん、そうですか…うん！まず、診せてもらおうかな！詳しい状況もお電話では伝わりにくいので、診せて貰って、それから決めましょう！」

と、勤めて明るく言ってくれました。

午前中の診療の一番最後の時間に、家族全員でお話をしに行く…という段取りに決めました。

電話を切った後、現実味が帯びてきて、大泣きしてしまいました。

そのあと、気をそらすように、息子と3人でデザートを食べ、外に散歩に出かけ、帰って来たら、時間が思ったより迫っていました。

慌てて、ロムをキャットタワーのハウスの中から出そうとしても、踏ん張って全然出てくれず…

そう、めちゃくちゃ賢い彼は、土曜日の午前中は病院の日と分かっているので、旦那の仕事に行く行かないで曜日を判断し、午前中はだいたい、この捕まりにくいキャットタワーのハウスに逃げ込むのです^^;

なんとかなだめて出して、最後に体を拭いてあげた時、また堪えきれず涙が溢れました。

こんな風に泣いてたら、余計に不安になるからダメ…

そう思っても耐えきれず…。

病院に到着したのは、約束の時間を3分過ぎてました^^;

私、ほんと、こういう大事な時に限って時間の読みが甘くて数分遅刻するんだよなぁー

と、自分のだらしなさ（汗）に反省しつつ、すぐに呼ばれて診察室へ。

まず診察。

先生はあえて甲高くて明るい雰囲気で

ううーん、ロムちゃんよ、どれどれ…

ん〜そうですね、たしかに悪化してるなぁ〜。

それから、先生とも3人で、よくよく話し合いました。

まずは、ここ1週間の様子。

薬は飲んでいて、この症状なのか？

今の私の心の辛さ。

そして、安楽死をしたとして、その後自分として気持ちが楽になれるか？

もしかして、後悔するんじゃないか？などの迷いは無いのか…。

きっと、勢いでしてしまって、後から罪悪感に苛まれる飼い主さんが沢山いるんでしょうね。

飼い主の心のケアも、獣医師の仕事なんだなぁ〜と、ぼんやり思いました。

先生も、この子、ほんとに性格がいいし、こうしてご飯も食べてるし…今は物凄く機嫌が悪くて塞ぎ込んでる訳ではないから、後ろ髪を引かれるよね…

などと、私の気持ちを代弁してくれたりして、しばらく話をしました。

でもねぇ、もう沢山沢山頑張ったもんね…。

その言葉に、つい泣いてしまいましたが

安楽死を決めました。

10分程、準備の為にそのまま診察室で待ちました。

その間、私と旦那交代で息子をみてて、沢山ロムを撫でてあげました。

不安にさせちゃうから、泣くまい！！と思ってても無理でした。

その間、ちょくちょく先生が戻って来ては、飼い主の立会いの有無、顔などに触れててあげるかどうか？を決めました。

私は迷わず、立会いと、顔に触れている選択をしました。

それから、なぜか奥で電子レンジの「チン！」という音が何回か聞こえて、「なに温めてるんだろう？」と、少し緊張がほぐれた後、

牛乳のような白い液体が入った、ルート付きの太いシリンジを持って看護師さん2人と先生が戻ってきました。

多めの麻酔を注入して、大体の子はスゥーっと眠るように逝きます。

時々、はぁぁっと息を吸って、フゥーーっと吐いて、深呼吸のような事をする子もいるけどね。

そしてたまに、それでも心臓が動いている子は、他の薬を使う事もあるけど、今まではほぼ無いかな？

という説明があり、処置が始まりました。

普段、診察も治療も、本当に暴れる事一つしない子なので、この時もすんなりさせてくれました。

左足に針を刺し、ゆっくり薬剤が入って行き、1/4位まで入った時、本当に気持ち良さそうに眠るように首の力が抜けました。

感謝の気持ちで涙が溢れましたが、それが本当に気持ち良さそうで、不思議と私まで微笑んでしまう程でした。

私のイメージでは、注射をして、キュッ！！と息が止まると思っていたけど、想像と全然違いました。

自分も死ぬ時、これがいいのに！って思うほど。

最後を自宅で看取れない申し訳無さはありますが、こんなに安らかに眠ったなら、その気持ちも少し薄れました。

私も撫でてたし、旦那も居たし、うちの息子も相変わらず元気に場を和ませていたし、先生もいつものように優しく、ロムと顔をくっつけて挨拶してくれたし、優しさに包まれて眠りました。

その後、何度か聴診器で心臓の音を確認して貰ったのち、暫くペットシーツに包んで抱っこしてました。

まだ眠っているように温かい。

あぁ。

闘病生活、長かったなぁ。

いつもなら1年なんて振り返ったらあっとゆう間なのに、闘病開始からを思い起こすと、5年くらい前に感じる。

この前、ふと旦那から先週のテレビの話をされた時、私は「ええ？！それって先々月くらいじゃなかった？」って驚きました。

それだけ、私は知らぬ間に日々をマラソンのように長くて息切れしながら過ごしていたんだなぁ。

そして、一番辛かったのはこの子で。

はぁー。ロムとの2人5脚？

終わってホッとしたね…！！

よく晴れた空の下、抱っこして車に乗り

連れて帰りました。

そのまま、今度は火葬の予約を入れに、獣医さんから勧められた隣町のペット霊園へ電話。

私の住む街から2時間弱のその霊園は、なんと、「今日なら、4時でしたら空いてます」との事。

現在1時。

とりあえず、予約を入れて、バタバタと支度開始。

小さい子供がいると、子供の持ち物と、お昼ご飯の心配もしなければならず、ドタバタ！！

まずは、子供の着替え一式と、寒い時のための上着……オムツ余分に持つのと、飽きた時のジュース、おやつ、お茶、おもちゃ。

あとは、夕飯は外食になるだろうから、お手拭きやフードカッター。

もう一匹の猫さんの為の水と、トイレの確認をして、旦那はガソリンを入れに行き、ロムにはいつものお気に入りの部屋等に連れて行き、一緒に火葬してもらう好きなおもちゃを用意して…

オッケー！！

一晩、家で過ごす時間、与えられなかったなぁ。

でも、暑い季節だし、体が傷んでくるよりいいよね。

コンビニに寄って、喉がカラカラに乾いていたので、飲み物とお昼ご飯を購入。

息子に納豆巻きを食べさせながら、出発しました。

3時半。

やっと市内に入り、スーパーのお花売り場でお花を買って、山の上にあるペット霊園を探しました。

思ったより山！！

とにかく、人里離れてて不安不安。

分かれ道も色々あるし、目印もない！！！

ちょっと迷いつつ、やっと到着。

3時50分。ギリギリセーフ！！

人間の葬儀場を小さくしたような、とても立派なペット霊園でした。

凄く景色が良い場所に、広々としたお墓！！

お花も植えてあり、スプリンクラーで水が常に与えられていて…

こりゃ、人間のお墓より幸せだわ…

率直にそう思いました。

我が家は転勤族で、ここのお墓に入れたとしても、御墓参りに来れる様な便利な場所ではないので、お墓には入れませんが…

火葬場は、本当に人間の「安らぎホール」のような、葬儀場のような雰囲気で素晴らしかったです。

重さを測って、金額を決めて、手続きをしてから準備してもらい…

呼ばれて別室へ行くと…

なんと。お葬式も！？

え。。。

す…凄い！！

悲しむより先に、驚きでした。

ご飯、おやつのチュール、かつおぶし、またたび、お水は会場で用意してくれた物でした。

えー！みんな、うちの子の好物！！

喜ぶわー！！

これも、このまま火葬してくれるので勿論使い回しではありません。

それから、スタッフの方が簡単なお別れの儀式をしてくれました。

だから、猫の名前と年齢とかを最初に書かされたんだな…。

あまりに、本格的すぎて逆に照れたけど、この綺麗な祭壇に上がっている姿を見ると、幸せそうでまた涙が出ました。

その後、背後にある火葬室に移動して最後のお別れ。

そこでも、また泣いて…

一時間ほど待ち時間があったので、その間旦那に息子を任せて、外に出ました。

中心に見えるのが煙突です。

今はあんまり煙が出ないんですね。

でも、ほんのりゆらゆらした微かな煙に向かって、お礼を言いました。

そして、また涙がほろり。

火葬場へ戻って色々物色していたら、待合室にノートが置いてありました。

そのノートには、ここを利用した飼い主さん達の愛で溢れていました。

私は、それを書くとまたボロボロ泣いてしまうから、そっとノートを閉じました。

すると、徐ろに旦那がノートを手にとって、息子に邪魔されない離れた場所に行き、何か書いていました。

後から見ると、不器用な旦那が、とても可愛い猫のイラストとロムへの感謝の気持ちを綺麗な字で書いており、更に涙が…！！

もう泣かせないでくれよーー！てゆうか、旦那に絵心があった事に驚き。笑

改めて、私はこの人と結婚してよかったな…と思いました。

5時過ぎ、火葬が終わって、ウロウロする息子を捕まえながら、お骨上げ。

驚いたのが、「焼きあがって黒い部分が、体の悪かった部分と言われているのですが、ロムちゃん、体の全体的に黒いものが残っていたのですが、ご病気だったのですか？」と聞かれた事。

「全体的…？

眼の腫瘍が始まりで、口の方にも転移していたんですが、全身とは思っていませんでした…」

まぁ、個体差があって、血液が黒く残る子もいるから、一概に黒い部分が病巣とは言えないらしいのですが、辛かったのは、眼と口だけじゃ無かったのかなぁ…と、思いました。

ますます、本当にこれで良かったなぁ。

そんな風にも思えました。

それから、人間さながらの骨壷、上に被せる金の美しい袋に覆われて、小さくなったロムを抱えて火葬場を出ました。

動物と暮らすことは、元気なうちはとても楽しくて、癒されて、時に怒ったりイライラする事もあるけど、毎日が明るくて。

けど、病を抱えた途端、通院、投薬、ケア、お金の問題…

言葉を話せないから、分かってあげられないもどかしさ。

治らないと分かった時の悲しさ。

最後は、別れの辛さ。

沢山の悩みが、飼い主に訪れます。

けど、それは私にとっては決して悪い事では無くて、本当に沢山の勉強をさせてもらって、素敵な思い出ばかりで、自分の人生の大切な大切な思い出と歴史になりました。

ペットとして動物を人間の所有物にするのは、単なるエゴだと言う人もいるけれど…

こんな、のんびりした顔を見れば、エゴのために無理やり所有物にされて、動物は不幸だ！なんて、私は思いません。

生き物って、なんだかんだ寄り添って生きるから、それがたまたま人間と何かであったと思うし…

孤独に生きるイメージの猫もまた、時代とともに変化して、誰かと共存して生きていくようになってきてるのかなぁ。

そうであって欲しいな。

まぁ、時に、こんな顔をするときもあるけれど（笑）

そして、火葬が終わった後、疲れ切った私達は、ファミレスへ食事に行きました。

メニューを選んでいたら、突然息子が宙を指差して

「ニャーニャー！…ニャーニャ！！」

って、私の顔を見て必死で訴えてきました。

うちの息子は、現在「アンパンマン」と「猫」はハッキリ判別して言葉にできます。

なので、大人もよく見ないと分からないアンパンマンの絵を目ざとく見つけ「アンパ！！」って指差して叫ぶし、猫の絵や猫（うちの猫も）見つけては、「ニャーニャー」と指差して私に訴えます。

私達夫婦は「え？ニャーニャー？どこにいる？？そんな絵とか飾ってある…？…ないよね？」

ってキョトンとしたけど、息子は更にニャーニャー！！と訴えてきました。

…もしかして！！

大人には見えない、ロムがここにいるんじゃ…？！

驚いたと同時に、なんだか嬉しくてたまりませんでした。

帰りの車は、疲れと、火葬が終わって緊張が解けた脱力感と、もうこれでほんとうに触れられないんだ…と思う気持ちで、心にぽっかり穴が空いていました。

今までに感じたことのない涙が溢れてきて、今までの事をぼんやり思い出していました。

自宅に到着したのは、夜の10時。

到着した時、骨壷をさりげなくさすって、「着いたぞ〜」と言った旦那を見て、ほっこりしました。

息子もすっかり寝てしまい、夫婦で「お疲れ様…」と言い合い、最近のロムの様子を静かに振り返りました。

そういう話をしていると、なぜか心が楽になるんですよね。

その後、旦那は寝てしまったけど、少し気持ちが晴れた私はドラマの「東京独身男子」を見て（笑）、友達にラインして眠りにつきました。

気が付けば、すごく長くなってしまったけど…

こんな風に1日が過ぎて行きました。

このブログを通じて、全く接点がなかった方の目にも触れ、応援してくださった事、本当に幸せに思います。

そして、また、その後のことをロムとの思い出と共に記事にしてｕｐする事で、心の整理をつけつつ、また馬鹿みたいな記事もupして行きますので、お付き合い頂ければ嬉しいです。