マニュアルも読んだ、PREPも使った、SEOも意識した。それなのに修正ばかり――。
そんなモヤモヤを感じたことはありませんか?
実際、私の知る駆け出しライターさんの多くが、最初にぶつかる壁がこれです。
記事の内容に大きな間違いはない。むしろルールは守れている。それでも返ってくるのは、
「なんか違う」
「もう少し読者に寄り添って」
「全体のトーンがズレてる気がします」
といった、“ふんわり”した修正依頼ばかり。
マニュアル通り書いているはずなのに、なぜ“なんか違う”と言われるのか?
この“ズレ”には、ある共通点があります。
しかも、それはスキル不足や経験不足の問題ではありません。
厳しい現実を言います。
あなたが「マニュアル通りの正解」を当てに行こうとしているその姿勢こそが、修正を量産させている元凶です。
なぜなら、マニュアルは“土台”であって、“完成形”ではないから。
読者の感情も、クライアントの意図も、マニュアルの外側にあることが多いのです。
それでも、あなたは思っているかもしれません。
「マニュアルに従ったのに、なぜ?」
「PREP法もSEOも、指示通りやったのに……」
けれど、厳しい現実を言います。
あなたが「マニュアル通りの正解」を当てに行こうとしているその姿勢こそが、修正を量産させている元凶です。
なぜなら、マニュアルは“土台”ではあっても、“完成形”ではないからです。
読者の感情も、クライアントの意図も、マニュアルの外側にあることが多いのです。
クライアントの“なんか違う”は、正解を持っていないから起きる
まず、受け入れてほしい事実があります。
クライアント自身、「何が正解か」をはっきりとは分かっていません。
「こんな読者に、こんな風に届いて、最終的にこう動いてほしい」
そんな理想像は、なんとなくあります。
でも、それをどう言語化し、どんな構成に落とし込めばいいのかは、見えていない。
だからこそ、「言葉にするプロ」であるライターに依頼しているのです。
なのにあなたが、
「マニュアル通りに書きました。これで合ってますよね?」
というスタンスで提出すると、クライアントはどう反応するか。
その文章を読んで、初めて自分の“違和感”に気づくんです。
「うーん……こうじゃないかも」
つまり、あなたが出した原稿は、
“正解”ではなく、“間違いに気づくきっかけ”になってしまう。
これが、「丁寧にやっているのに修正が減らない」構造的な理由です。
読んでいて、胸がチクリとしたかもしれません。
「私が今までやってきたことはなんだったの……?」
そう思って当然です。
私もこの構造に気づいたとき、
自分の文章が「誰の意図も反映していない作業」だったと知り、絶望しました。
でも、これはあなたの能力の問題じゃありません。
ただ、“立つ場所”がズレていただけなんです。
けれど、ここで絶望する必要はありません。
むしろ、マニュアル通りに書こうとするあなたの姿勢は、誠実すぎるほど誠実です。
たとえば、クライアントが「もっと読者に寄り添って」と言うとき。
その“寄り添い”とは、何かの手法ではなく――
「読者の目線に降りて、どこで迷い、どこで安心したいかを、文章の中に織り込んでほしい」
という“感情の流れ”を指していることが、よくあります。
けれど、そんな感情の温度までは、マニュアルには載っていません。
では、どうすればいいか?
マニュアルで「正解を当てに行く」のではなく、
“相手と一緒に、選択肢を確認していく”仕事に切り替えるのです。
「私の書き方は、こういう前提で、こういう読者像に合わせています。
だから、あえてこのトーンで、こういう順番で伝えました。」
……といった形で、“言葉の理由”をセットにして返す。
すると、クライアントの側も、自分の意図を改めて言語化できます。
この段階で、ライターの立ち位置は変わります。
「言われた通りに書く人」ではなく、
「一緒に“整えてくれる人”」になるのです。
つまり、ライターは
“正解を出す人”ではなく、“判断の補助線を引く人”。
この視点を持てるかどうかで、あなたの仕事の質は大きく変わります。
それでは次に、
修正されない文章を書くために、実際どんな設計をすればいいのか?
「マニュアルの外側」をどう見極めればいいのか?
具体的に見ていきましょう。
「言われた通りに書いただけ」では、いつまでも修正は終わらない──ライターが“判断力”を持つべき理由
ライターが陥りがちな思考の罠があります。
それは
「クライアントが“正解”を知っていて、自分はその答えを当てにいく存在だ」という思い込み。
この構造が、終わらない修正の原因かもしれません。
クライアントは「先生」じゃない
あなたはこんな風に思っていませんか?
「クライアントは“正解”を持っていて、自分はそれを外さないように書くべきなんだ」
──だからこそ、
「これで合ってるかな……?」
「変な風に思われたらどうしよう」
そんな不安と隣り合わせで筆を進めていませんか?
けれど、実際の現場で飛び交うのは、こんな言葉です。
「なんか違うんですよね……」
「もっと読者に寄り添ってほしくて」
「トーンをもう少し柔らかくできますか?」
──このような曖昧な修正依頼を受け取ったことがある人は、決して少なくないはずです。
ここで冷静に考えてみてください。
「読者にこう思ってほしい」
「なんとなく、このテイストが好き」
「競合に負けない記事にしたい」
これらは、クライアントの頭の中にある“ぼんやりとした理想像”です。
けれど、彼ら自身もそれをどう言語化すればいいのか、はっきりとは分かっていません。
つまり──
クライアントは「答えを持つ先生」ではなく、「問いを抱えている依頼者」なのです。
そして、あなたの記事はその問いに対する「回答」ではなく、
「答え合わせのきっかけ」になってしまっている。
この構造を見誤ったまま、顔色をうかがって“当てにいく”文章を書いても、ズレは埋まりません。
なぜなら、そもそもクライアント側も「何が正解か」を確信できていないからです。
指示待ちの“作業員”は、AIに代替される
こうした曖昧な指示に対し、マニュアルを忠実に守りながら「正確に」記事を書く。
一見、誠実な姿勢のように思えますが──
その実態は、“作業員的”な立ち位置にすぎません。
作業員の役割は、決められた構成に沿って、ルールを外さずに情報を並べること。
しかし今や、その「再現性の高い作業」は、AIの得意分野になりつつあります。
たとえば現在のAIは、競合記事を3本読み込み、共通点を抽出し、類似の構成で記事を書くことすら可能です。
1秒も迷わず、感情も交えず、指示された内容を、漏れなく・正確に・高速でアウトプットします。
言い換えれば──
「誰がやっても同じ結果になる仕事」は、安価なほうに流れるのが必然なのです。
しかも、クライアントの視点で見ると
「指示された通りにしか動けないライター」は、
指示が完璧でなければ機能しない、不安定な存在にも映ります。
「この人には細かく伝えないとズレる」
「こちらが主導して考えないと、いい記事にならない」
そう思われた瞬間、継続依頼は遠のきます。
あなたがどれだけ真面目でも、丁寧でも──
“指示されたことしかやらない”ライターは、
「AIよりコストが高いだけの存在」になってしまうのです。
この構造に気づかないまま「マニュアル通りの正確さ」だけを追いかけていると、
単価は上がらず、仕事も減り、評価もされないという三重苦に陥ってしまいます。
では、AIに代替されない“人間にしかできない仕事”とは何か?
──その答えは、次の章で明らかになります。
クライアントが本当に求めているのは「判断」
「正確に書く」だけでは、もう選ばれない時代です。
いまクライアントが本当に求めているのは──
あなたの「判断力」と「提案力」です。
そして、それこそがAIでは代替できない、
“人間にしかできないライティング”の本質なのです。
クライアントの頭の中には、こんな漠然とした希望があります
「読者の共感を得られる記事にしたい」
「自然な導線で商品に興味を持ってもらいたい」
「競合と差別化した内容にしたい」
しかし、これらは“願望”であって、戦略ではありません。どの表現を削り、何を先に伝え、どこで背中を押すか。
その構成や言葉選びは、彼ら自身もわかっていないのです。
それなのに、多くのライターはこう考えてしまいます。
「クライアントは“正解”を持っていて、自分はそれを外さずに当てるべき存在だ」と。
結果、
マニュアルを守っても「なんか違う」と返され、
キーワードを詰めても「もっと自然に」と直される。
これでは、永遠に修正は終わりません。
なぜなら、クライアント自身も“正解がどれか”を知らないからです。
だからこそ、優れたライターは「書く前」に勝負を決めます。
彼らは、クライアントの指示の“背景”を汲み取り、こう提案するのです。
「このマニュアル通りに書くと、読者は“企業目線”だと感じてしまい、かえってコンバージョン率が下がるリスクがあります。
そこで、今回は『悩みの自己否定感に寄り添う切り口』で定義し直すべきだと判断しています」
ここでクライアントは、ようやく自分の“ぼんやりした違和感”に名前をつけてもらえたと感じます。
このように、ライターの本質的な役割とは、
「言われた通りに書くこと」ではなく、
“迷っているクライアント”の意図を翻訳し、正解を先回りして定義することなのです。
それはもはや、文章を書くスキルというより、編集者や戦略家の視点に近い能力といえます。
「書ける」より「決められる」ライターが、選ばれる。そう断言できる時代になっています。
“書くこと”より、“方向を定めること”が ライターの価値になる
こうした判断の積み重ねが、クライアントの「なんか違う…」という曖昧な違和感を、
書く“前”の段階で潰していく作業につながります。
・構成で迷わない
・執筆中のブレが消える
・修正が明確になる
結果として、クライアントは文章そのものよりも、
「自分の代わりに考えてくれた」「決めてくれた」ことに対して報酬を支払うようになります。
実際に、クライアントは“完璧な文章”を求めているのではなく、“迷いのない姿勢”に価値を感じていることの方が多いのです。
そして、このスタンスを貫くことで、
あなたは“修正の的当てゲーム”から抜け出せます。
毎回「合ってますか?」「これで大丈夫ですか?」とお伺いを立てるのではなく、
「私の案はこれです。理由はこうです」と自信を持って差し出せる。
その姿勢こそが、クライアントにとっての“安心”となり、信頼を生み、単価の上昇や継続依頼へとつながっていきます。
筆を持つ前に、旗を立てろ
書く前に「正解」を見極めようとする限り、
あなたは永遠に“後追いの作業員”から抜け出せません。
今、あなたに求められているのは、
クライアントの迷いを断ち切り、プロジェクトの“軸”を定める「判断する力」です。
それは文章力ではなく、
もっと泥臭くて、地味で、でも確実な──
顧客理解 × 逆算思考 × 語り直す勇気。
マニュアルを守るよりも、構造を読み解き、
「こうすべきだ」と言い切るその視点に、価値が宿る。
だからこそ、
あなたが書くべきなのは「依頼された記事」ではなく、“プロジェクトにとっての正解”そのもの。
クライアントは、まだ言語化できていない“問い”を抱えています。その問いを、言葉として定義し直す。
それができるのは、ライターではなく──“参謀”です。
次回予告
次回の記事では、クライアントの曖昧な指示の“裏にある本音”を読み取り、ズレを執筆前に潰すための「ヒアリング設計」と「すり合わせ力」について、
具体的な実例を交えて解説していきます。
あなたが「修正沼」から抜け出すために必要な、“書く前の仕事術”。
その全体像が、次の記事で明らかになります。