悪意の人と遭遇した。
自分がひねくれた性格をしてるのは自覚してるけど、それでもどこかで性善説信仰があって、人が人を裏切ったり傷つけたりする時って、咄嗟の激情だったり我が身かわいさだったり……大概、弱さとか狡さから来るもんだって思ってた。
でも、意図的に人を陥れようとする、攻撃する人間もいる。
人が酷い目にあう姿を見ても全く心が痛まない、むしろ楽しめる人間もいるんだって、実感させられる出来事だった。
梛々女はエネルギーのない人間だから、積極的に人を嫌ったりはしない。
それでも自分に害をなす人間はもちろん嫌いだ。
ただ、そんな自分にとって害になる人間でも、目の前で不幸になるのと、関係ないところで幸せになるのとどっちが良いと聞かれたら、迷わず後者を選ぶ。
良い人ぶってるわけじゃない。
目の前にいられる方がよほど目障りだからだ。
梛々女はそういう風に消極的に人を嫌う人間だ。
そんな冷たい人間だけど、悪意の人よりはマシだろう。
エネルギーがありあまってるのだから、ある意味うらやましいけれど、そっちの人間にはなりたくないと思うんだ。