非常勤講師として北は北海道網走から南は福岡まで

20年近く教えてきました。

さすがにそれだけ教えてくると、テスト0点だった私も

生理学を教えるのには自信がつきました。


生理学とは何か、と聞かれたら、

それは身体のホメオスタシスの仕組みである、と答えます。

ホメオスタシス 内部環境の恒常性です。

一見難しく聞こえますが、例を体温で説明するとわかりやすい。

体温は周りの温度が多少変わっても、ある程度一定に保たれています。

その仕組みがまさしくホメオスタシスなのですが

そのためには、まず今自分の体温が何度なのかを知る必要があります。

そしてもし、それが高くなったら下げるように

低くなったら上げるようにシステムが働きます。

それをつかさどっている中枢が視床下部と言うところです。

視床下部には体温調節中枢があります。

そこで今の自分の体温を把握して、それに対する処置を

自律神経系、内分泌系(つまりホルモン)によって行っています。

体温を下げるために

末梢血管を拡張させる、毛穴を開く、汗をかく、呼吸数をあげる、

体温を保持する、あるいは上げるためには

毛穴を閉じて、代謝をあげて、筋肉をふるわせて熱を産み出す


これらは、私達がそうしようと考えるまでもなく

ありがたくも自動的に反射的に行われています。

この自動的にというところが大切で、これをいちいち大脳で判断して

命令を出していたら、時間がかかり過ぎて間に合わず、命に関わります。

視床下部には他にも、飲食中枢、飲水中枢があり、

性欲や快・不快などの感情も司っています。

つまり動物として生きるために不可欠なことの一切を制御してくれています。


この視床下部さんに、おまかせしておけるおかげで、私達は

より高度な思考や、行動に、いそしめる、というわけです。


いよいよ大詰め、もう少しつづく。