7月7日、13時20分頃。やーや誕生。


血や何かを拭かれて、手術台の私のところにやーやが連れて来られた。そのまま胸の上に置かれる。おお、この子が今の今までお腹に入っていたのか~。なんか、普通に人間だということにびっくりしてしまう。胸の上でウゴウゴする息子。これからよろしくね~。


感激している間、お腹の縫合が行われていた。そこで、先生から一言、「あ、卵巣の腫れているところ、取っちゃいますからね~。」・・・ええ!?


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実は妊娠当初から片方の卵巣が腫れているらしい、と言われてはいた。「あ、そうなんだ、ふーん。でも別に痛くないし~。」と、大して気にしてはいなかった。ただ、「お腹の切り方を縦でなく横にして欲しい」と言った時に、「卵巣の腫れを見るので縦でいきます。」と言われ、なんだよ卵巣め~。と思ったくらいだった(妊娠中通ったマタニティビクスの休憩中、助産婦さんに、「横で切ってもらえるならそのほうがいいよ。パンツの線で傷隠れるし。ビキニ着れるよ!」と教えられたのだ。別にビキニを着るつもりも度胸もないけれど)。


まさか、取っちゃいます、とは。


だが。まな板の上の鯉・・・ならぬ手術台の上の妊婦はもうどうしようもない。「はいっ、お願いします~」


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しばらくたつと、先生達が何やら話をしているのがわかった。何?何の話?耳をそばだててみる。血が止まらないぞ!とかだったらどうしよう。


「2LDKが・・・。」「3LDKで・・・。」


家の話かい!ま、いいけど。


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そんなこんなで縫合も終わり、やーやはガラス越しの対面のために連れて行かれた。私も手術室から運ばれようとした時、先生が声をかけてきた。「切除した部分、見ますか?」


・・・別に、何の用もない。ので、「いいです。見ません。」すると、


「まあまあ。そう言わずに。せっかくだから。」ええ~!質問する意味ないじゃないか。


目の前に出されたモノは、思っていたよりもずっと大きくてびっくりした。こぶし2つ分くらいかな。これ、腫れているというんだろうか。卵巣ってウズラの卵くらいなんでしょ~?


私が卵巣の一部と衝撃の対面を果たした頃、パパ達がやーやとの初対面を果たしていた(ガラス越し)。なんでも、みんなの目の前でおしっこをしたそうだ。こちらも衝撃的ではある。


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術後パパが受けた先生の説明によると、羊水が少なかったことと、卵巣の腫れた部分が邪魔したことで、赤ちゃんは動けなかったようだ。もし普通分娩だったら、産道を卵巣が邪魔して出られなかったかも、とのことだった。んじゃ、やーやも苦しまず出てきたし、悪いとこもついでに取ってもらえたし、ラッキーと考えた方がいいのかな??へたすりゃ二人して大変なことになってたかもね。


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入院中も様々あったけれど、それはまた別の機会に。


で、お風呂でやーやが一生懸命私のお腹・特に傷口。をゲシゲシするのは、お腹の中は狭くて動けない上に頭をぐいぐい押されるという苦しみを思い出しての行動なのかなあ。だったら甘んじて受けようじゃないか。
誕生







さて、手術当日。


実は、私は入院・手術はおろか、点滴すら経験したことがなかった。妊娠線ができないように、と日々ケアを行ってきたけれど、それどころではない線ができそうだ。ひええ。


お腹があまり大きくならなかったためか(大体7ヶ月の人と同じくらい)、もう赤ちゃんが生まれる・・・というか出される、という自覚があまりないままに現実がやってくる感じがした。


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なるべく平静を保ちたかったけれど、パパ(仕事は休み取った)と病院に入るとすぐに手術に向けて色々始まり、緊張は高まっていった。尿の管を入れたり点滴をしたり。恐怖におののく私を見ながら、パパはしみじみ「男でよかった・・・」。なんだとこの野郎。


S家の両親とひさりも揃い(きゃるは仕事)、みんなに見送られながら手術室へと運ばれていった。陣痛も何もないので、「赤ちゃんに会える!」という気持ちよりも、「手術おっかねー!帝王って何なんだよ・・・」という気持ちのほうが強かった気がする。


手術台の上では、真っ裸の私をたくさんの人々が囲んでいる。もう、あとはお任せするしかないのね・・・。まな板の上の鯉ならぬ手術台の上の妊婦。


腰に麻酔が打たれる。何か、冷たいものが腰から流れてくる感じ。ほどなく下半身がしびれてきた。部分麻酔なので、しっかりと意識はある。何をされているか、わかる分非常に恐ろしい。そして、目の前に布で目隠しをされた。いよいよだ。


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メリメリメリ。・・・これが、皮膚を切る音か・・・って、切ってるよ!切腹だ。麻酔といっても、何も感じないわけではなく、痛くないだけで(いや、鈍く痛い)、あ~なんかされてるな、くらいはわかってしまう。振動もビンビン伝わってくるし。


5分ほどすると、お腹をグイングイン押された。ひえ~。すると、「ああ~ん」と猫のような声。おっ!!


「男の子ですよ~」


け、結構でかい。よく入ってたなあ。はじめまして!


・・・帝王切開③に続く。

パパは帰りが遅いので、私がやーやをお風呂にいれている。ここ最近やーやのお気に入りは、水面をバシャンバシャンすることと、私のお腹をゲシゲシ蹴ることだ。しかも傷口。なんか文句でもあんの?


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やーやは7月7日が誕生日なんだけど、予定日は7月21日だった。色々な雑誌や母親学級で、「初産は予定日よりも遅れることが多い」と聞いていたので、私も遅れるのかな、てことは7月末かしら。と勝手に思い込んでいた。


妊娠中期、やーやが逆子だということが判明し、逆子体操に追われる日々。あれはそうとう苦しかった。「息ができない~!」と苦しむ妻を、さも楽しそうに携帯電話のカメラで撮影していた夫。彼の人間性を垣間見た瞬間だった。


私は羊水が少なく、お腹の中で回りにくかったようだ。毎日の体操の甲斐なくやーやは逆さまのまま、帝王切開になる確率は高まっていった。初産の場合、逆子は帝王切開になることがほとんどなのだそうだ。


何で逆さまになったの~?やーやができた頃、山形の山寺へ出かけて1000段上りきったことが原因かな。それとも、温泉で滑って転んでしまったこと?う~ん。


暇さえあれば体操をしたり、お腹の上から頭を押して見たりしたけれど、全く効果なし。すでに反抗期だ、と囁かれていた。お腹をぐいぐい押す私を見て、「頭がへこむからやめろ」と真剣に注意するきゃる。彼は、赤ちゃんの頭の形に敏感なのだ。自分が絶壁マンだから。


計画された帝王切開の場合、赤ちゃんが足で蹴って破水してしまわないように、予定日より2週間ほど早く手術を行う。私も、7月5日が最後の検診で、その時点で逆子が直っていなければ手術になると言われてしまった。


私の通う産院では、木曜日が手術日だった。5日は水曜日で、6日に手術になるのかな~、だったら7日にできないかな。と思っていた。手術までワンクッション置きたかったし、6日は仏滅だった。それに、なんか七夕生まれは縁起いい気がして。大安だったし。


そして5日。もちろん逆子のまま・・・。すると先生から、「手術は7日です。」おっ、ラッキー。やーや、君の誕生日は7月7日に決められたよ。

・・・・帝王切開②に続く。
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