私は1年前に運転免許を取得した。

運転免許を取得するまでの道のりは辛いことばかりであった。まず、気の合う指導員と巡り合うまでが長かった。できないとイライラする指導員や大きな声で捲し立ててくる指導員、なんて伝えたらいいか悩んで的確に指導できない指導員…。
教習中に、指導員の機嫌が悪くなることや、指導員が頭を抱えていることなんて毎回のことであった。運転している最中も、家に帰ってからも自分のできなさに毎日本気で悩み、落ち込んでいた。そんな中、気の合う指導員と出会った。歳は4つくらい歳上の女性指導員だった。最初はキツめかなぁと心配していたが、言い方は優しいし、伝え方は的確で何よりわかりやすかった。
そんな女性指導員は、「こうなったらこうする」と明確な指示をしてくれた。今までの指導員はみんな、できないことだけを伝えてきた。どうしたらいいかは「もっと早くハンドルを切る」などと曖昧な言い方をしておしまいにしてしまう。特に路上ではパニックの連続で、隣で「何で今止まるんだよ!!」と男性指導員に怒鳴られた時には「私にだってわからないよ!もっとどこで止まればいいかわかりやすく教えてよ!」と泣き出したくなった。
ADHDの私にとって曖昧な言葉こそ混乱するものはない。「感覚でやればできるから感覚を身につけなきゃね!」と言う若い男性指導員の言葉がなによりも嫌いだった。

私にとって運転の何が困難だったかと言うと、一度にたくさんの情報が絶えず入ってくる中で瞬時に判断し、正確に行動しなければならないこと。そして、バックなど頭の中で想像しながらハンドルを回さなければならないこと。教習所での「この角のここにきたら曲がるんだよ」「このポールが見えたらハンド切るんだよ」は、路上では通用しない。免許を取ってから一年が経つが、何度も車をいろいろなところにぶつけ、そのたびに本気で落ち込む。やっぱり私に運転は向いていないんだ。

それでも私の住む街は、車がなければどこにも行けないし、職場までも車がなければ行くことができない。一生車と付き合わなければならない。今のところ大きな事故はないが、いつか大きな事故を起こしてしまうのではないかと不安になることも多い。でも、この車とともに私の将来も歩まれていくのだと思うと、一緒に困難に立ち向かってくれる仲間だと愛着が湧き、なんとか毎日運転できるのである。