カーキのジャケット
7分袖のボーダーTシャツ
グレーのジャンパースカート
スパッツ(レギンスじゃなく、スパッツ)
頭の先から全部、綿。
ウールのもさもさ、ふかふか、ちくちくする感じも、動物が寄り添っているようで頼もしく、ウールのセーターにウールのコート、帽子に手袋に包まれると、「どんとこい」と思うけれど。
綿の軽やかさ。貼りつくようななれなれしさや、絹の気取った感じじゃなくて、相棒みたいにしっくり馴染む、心軽い安心。
ボーダーのTシャツは、19の時に買ってずっと着続けているお気に入りで、もうくったりと体に馴染んでいます(そうして、くたくたになるのはいつのことだろうと、楽しみなような、惜しいような)。
春がきたなあ。
裸足の足をスニーカーに突っ込んで、ロンドンの不良みたいな気分で部屋を出る。
陽光(なんて春にふさわしい言葉だろうと思う)がぽわんぽわんとアスファルトをあたためていて、あくびをしながら、地下鉄の階段を降りる。
そんな朝。
職場で過ごす一日はめまぐるしく、緊張と焦りの連続で、頭も体も熱くて、かっかっ、と自分が熱を放射している気がします。
職場のあるビルを出て、寂れた駅前はもうすっかり夜になっていて、コンビニの蛍光灯だけがこうこうと明るい。
空気はもう冷たくて、それでも、ひるまあたためられたアスファルトがスニーカーの足元でぱたぱたという。
朝は気づかなかった、濃い甘い香り。
駅前に、ぐるり。
沈丁花が咲いていました。
目元の力が、ふうっと緩むような夜です。綿のジャケットの襟を、ちょっとひっぱります。
また、電車にゆられてうちへ帰ります。







