~ 前の記事からの続きです ~

 

私は、その日は通夜の仕事に入っていた。

18時開式の通夜だった。

スマホは制服のスカートの右ポケットに入れていた。

 

通夜が終わり、後片付けをしているときにふとスマホを取り出してみた。

すると・・・

 

娘の病院からや、警察から着信が何件も入っていた。

慌てて、折り返しの電話をかけた。

娘の主治医の説明では、夕方娘が先生に電話をかけたらしく「薬を飲む手が止まらない、助けて」と衝動を抑えきれない様子だったそうだ。何度かやりとりするうちに、娘と電話がつながらなくなり先生が警察に連絡をしてくれたというわけだ。

私は仕事を早退し家に向かった。

 

40分くらいかかっただろうか・・・

私はそんなにうろたえていなかった。

こういうパターンはこれまで幾度となく経験していたので「またやった」くらいの認識だった。

 

帰宅すると、家の前に警察官が二人立っていた。

「一緒に家に入りましょう」と言われ、娘の部屋に行ったら床に倒れていた。

「意識がなかったら救急車」と先生に言われていたので、すぐに救急車を呼んだ。

数分後、救急隊がやってきたが・・・こう言われた。

「お母さん、僕たちでは手に負えませんので今からレスキュー隊を呼びます。保険証とか準備してください」

そう言われた。

冷静だったつもりでもレスキューとか言われて、やはり慌てていたようでなかなか保険証が見つからない。

そうこうするうちに、家の前には何台もサイレンを鳴らした車が並んで停車しものものしい状況になっていた。

レスキューの人に「お母さん、早く!!」そんなひっ迫した大きな声を出されたことで、いつもとは違うやばい状態なのかもしれないと感じた。

 

 

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