いよいよデート当日。

私は10数年ぶりにできる限りのお洒落をして出かけました(笑)

待ち合わせは人通りの少ない神社にて。


彼は近くのケーキ屋さんで小さな焼き菓子とドーナツを買って待っていてくれました。


会社で仲が良いと言ってもプライベートは一切不明だったので、神社に着くまでは少し緊張していたのですが、彼の姿が見えた途端すごく安心した気持ちになり不安がスッと消えました。直感的に彼は絶対大丈夫という勘みたいなものがありました。

私の私服姿を見て(普段は男性陣と同じ男寄りの制服を着てますw)


「やっぱり私服観れるのいーなラブラブ

「会社と全然ちゃうな〜!マジでええなぁチュー

と何度も言ってくれました(笑)



彼を助手席に乗せた瞬間。不思議な感覚に襲われました。男性を乗せるなんて結婚してから主人以外初めてのことです。

でも何故か全く違和感がないんです。私は割とパーソナルスペースに人が入られるのが苦手で、助手席には主人ですら圧迫感を感じてしまうのですが、彼には1ミリも感じない。むしろもうちょっとくっ付いて欲しいくらいの感覚でした(笑)


そんな感じで始まった初デート。



車に乗った瞬間から2人とも話が止まりません。

どこの生まれか。どうやって育ってきたか。

兄弟は。今までのお互いの人生を全て語り尽くすぐらいの勢いで話しました。


その話の中で私は自分の価値観を180度ひっくり返される話を聞くのです。




かつての私は学歴至上主義のようなところがあり、自分も県内有数の進学校卒。

主人も同じ高校を卒業し、誰もが知る東京の有名大学を卒業し大手企業に勤めエリート街道まっしぐらみたいな人です。


一方彼は中卒で、早くから働き始め、お金を貯めて若い頃は世界中を旅して回っていたんだそうです。

アメリカの「ザ・ウエーブ」や「ウユニ塩湖」の心洗われるような綺麗な写真を見せながら楽しそうに話してくれました。カナダには1年半住んでいたと。

「今も色々行きたいけど、世の中が世の中だからね。」と。そのあと家族を介護することになり看取った話も聞きました。


頭をハンマーで殴られたような衝撃でした。世の中には世間体なんか気にしないでこんなに自由に生きてる人がいるんだ!心の底からカッコいいと思いました。でも今までの自分だったらきっと中卒と聞いたらどこかで馬鹿にしてしまってた自分がいたと思います。浅はかな考えを持っていた自分がすごく恥ずかしくなりました。



でも彼は彼で同じような感覚を持ってしまったようなのです。。。


食事も後半になると彼が私の主人や子供のことをやたらと聞いてきました。「家は一軒家?」「車は自分の?旦那さんも別の車持ってるの?」「子供はいくつ?」私は彼に聞かれるがままに素直に答えました。今の生活に不満はありません。


私には高学歴の旦那と家と子供がいる

彼は中卒。独り身。


本当に全く対照的な人生だったんです。

私が既婚子持ちなのは知っていたはずですが、いざ詳しい話を聞くとショックだったみたいで。少し元気が無くなったように見えました。

帰り際、私のカバンに気づいた彼。

私はノースフェイスが好きで、その日はノースフェイスのトートバックを持ってました。すると「ノースフェイス好きなん?俺も好きなんよね〜!」と言ってお互いノースフェイスの好きなところについて語り合い、少し元気が戻ったようでしたニコニコ



帰りの車の中では「カラオケは好き?」「お酒は好き?」というようなことを聞かれ、流れ的には普通の流れならじゃあ次どっちかに行こうよ!となりそうな流れだったにも関わらず、結局誘われることもなく。その日は彼と分かれました。別れ際の優しい笑顔の奥の悲しそうな目が気になって仕方ありませんでした。


分かれた直後に

「今日は楽しかった!気いつけて帰り〜」

と連絡が来たので


「またポイント使いたかったらいつでも誘って♪」と次のデートのかま掛けしてみたものの返信はありませんでした。

もう次はないかもな〜。。。



そう思った初デートその夜。

私は信じられないような摩訶不思議な、でもとても神秘的な体験をすることになるのです。




続きは次回☆