先週末東京近代美術館に行ってきました。
ちょうど対話型鑑賞が行われていたので参加してみました!その時の内容をまとめます。
パブロ・ピカソ(仏)
「ラ・ガループの海水浴場」
油彩 キャンバス
【最初の印象】
・遠近感が現実とは違う
・全体的に灰色がかっていて暗い印象
・1番右側の細長い人の様なものは何?
【他の人の意見】
・海の場面なのに爽やかな感じがしない
・他の人は灰色だが、1番右の座っている人物だけ黒っぽい→人種の違いか?
・水上スキーをしている人がいる
・真ん中の大きな顔がこちらを覗いている
【ガイドさんの説明】
・この作品は、ピカソのドキュメンタリー映画「ミステリアス・ピカソー天才の秘密」(アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督)の終盤にピカソがカメラの前で描いてみせたもの。
・極端に横長なのはスクリーンの画面比を意識したから。
・映画の中で、描き始めから完成まで驚くべきスピードで変容を見せるこの作品、よく見ると荒々しい描き直し、キャンバスの破れ跡、ピン穴など生々しい痕跡が随所に認められる。特に水上スキーの青い部分は何度も塗り重ねている。
→この画面の千変万化は、イメージが即興的に、あるいは天啓のように次々沸き上がる「天才の秘密」を印象づけようとする、(監督の?画家の?)演出的な意図もあったのかもしれない。
・真ん中の大きな顔はピカソだと言われている
ペルトラン・ラヴィエ(仏)
「ガラスの下の絵画」
ガラスの上にアクリル絵の具
【最初の印象】
・反射している
・特出した要素がなく、全体的に同じ
・太いハケの痕を活かしている
・額縁も作品にマッチしている
【他の人の意見】
・竹を切ったものを敷き詰めた様に見える
・お風呂の鏡を掃除している時のよう
【ガイドさんの説明】
・作者は園芸学校出身であり、接木の影響を強く受けている→異質なものをコラボさせた作品が多く、この作品もそのひとつ(鏡×アクリル絵の具)
・「ガラスの下の絵画」ということは映ってるものが絵画作品→設置する場所が重要である
堂本右美(日)
「kanashi-11」
油彩 キャンバス
【最初の印象】
・ぼやけた背景とくっきりと描かれた黒い植物の種の様なもののコントラストが強烈
・なぜわざわざ黒いところに黒い線を重ねているのか?
・背景は空と海と島だろうか?
【他の人の意見】
・黒いものがメガネやヘッドホンに見える
・黒い物体が空を浮遊している様子を表しているのではないか?
・背景は優しい感じがするが、黒い物体は冷たい感じがする
・背景は自然だが、黒いものは人工的な感じがする
【ガイドさんの説明】
・作者は両親がアーティストだったため幼い頃から絵画が身近にあった
・この黒いものは萎れたチューリップで、知り合いにもらい、鉢に植えたチューリップが萎れている様子を見てチューリップをモチーフにすることに決めた。萎れていてもチューリップということには変わりなくて、萎れても生きている姿が美しいと感じ、それを今を生きる若者の姿に重ねて作品を作った。ちょうど作品が作られた頃は若者の自殺が多い時期だった。
【全体を通しての感想】
まだわたしの芸術の知識は浅く、作品を見ただけで何を描いているのか、作者は何を伝えたかったのか理解することは難しいと感じました。
今回初めて対話型鑑賞を体験してみて、人それぞれの想像を聞くことができてとても面白かったです。特に普段関わりの少ない50〜70代くらいの方の意見も聞くことができたことは貴重な経験でした。また機会があれば参加したいと思いました。