今日で医師から宣告された三週間は過ぎた。オカンは生きてる。こんなもんじゃないわよ!って言ってる気がする。でもあの時のオカンじゃない。「仕事どう?ちゃんと食べてる?」そんな言葉は二度とでないだろう。かすかなうなずきや、体の動きはあるけど、もう昔のように会話ができない。俺だということもわからない。それでもいい。今こうして、親父と俺たち家族のそばにいてくれるだけで。孫の『ばぁば』って呼びかけに笑顔で返してくれる。これからの事を少しずつ整理してる。この母親に生まれたことに感謝しながら。ありがとう! いつもそう思ってる。
入院後、医師より状況を聞く。MRI画像を見て、「う~ん、白い影が他にもありますね~。ここと、この辺にね。とりあえず薬を変えて対処しましょう。」部屋を出ようとした時、息子さんだけいいですか?と、俺だけ残ることに。医師より「悪化してます。予後はあと2~3週間です」と。言葉がでんかった。確かにオカンは、自分でまぶたを開くことさえできない。まともな会話もできなくなってる。わかってはいるけど、母を失うことが、やっぱり現実なんだと悔しさを通りこして怖さでいっぱいになる。俺は何をしてやれるんだろう… 何をすべきなのか?
ここ最近、熱が38度ほど上がることがある。
親父も、介護疲れで限界にきてる。足の痛みは結局、座骨神経痛ではなく、腫瘍の転移からの痛みだとわかった。医師も言葉の表現に、思います… だろう…が目立つ。最後には専門外なんで…と自分の頭ん中が沸騰してるのがわかる。

親父の事を考えると、入院するべきと思い決定した。もうオカンは1人で歩けないし、起きあがれないし、ご飯も食べられない。そして体に癌からの激痛が走る。かわいそうでならない。モルヒネで痛みは和らぐとの事。できることなら痛みだけでも代われるものなら代わってやりたい。