「踏み倒したら暴力団がさらってボコボコにして監禁する。その後、ここに連れてきて支払いの話をする。うちもコトを大きくしたくないから素直に払ったほうがええよ」

 ポーカーで3235万円負けた医大生から金を脅し取ろうとしたとして、バクチ仲間でいずれも岡山県倉敷市に住む無職で韓国籍の大浦勝次郎(71)、自営業の内藤智弘(26)、溶接工の石川史也(25)ら3容疑者が先月30日までに、恐喝未遂の疑いで県警組織犯罪対策2課に逮捕された。

「賭けポーカーしよるところがあるけえ、行ってみんか」

 医大生Aさん(25)は石川容疑者にこう誘われ、大浦容疑者が借りていた倉敷市内のマンションの一室で、度々、ポーカー賭博に興じていた。いわゆる「スタッドポーカー」といわれるもので、ディーラーの大浦容疑者が絵札を伏せた3枚のカードを自分とプレーヤーそれぞれに配り、4枚目を表にして一番強い絵柄が出たプレーヤーが「今回は100円でやろう」と賭け金を決められるルールになっていた。

「事件が起きた5月11日はAさん自ら高額の賭け金を設定し、1000万円単位にまでハネ上がっていた。3人はグルになってわざと負け続けるなどして、Aさんが高額な勝負に出るよう、うまいこと仕向けた。つい調子に乗ったAさんは大バクチに出たものの、まんまとダマされ、1日で3235万円の負けをつくってしまった」(捜査事情通)

 Aさんは高額な学費で知られる私立大の学生とはいえ、さすがに3235万円もの大金を払うことはできず、真っ青な顔で警察に駆け込んだ。

「大浦らにしてみたらカモがネギを背負ってきたようなものだった。石川が『知り合いに金持ちの医大生がいるから』と言って、3人で計画を進めたようです。マンションの部屋は大浦がポーカーをするために借りていて、過去にも賭博の逮捕歴があることから、賭博場にしようとしていたのかもしれない。もしかしたらAさんの知り合いなども被害に遭っていた可能性も考えられる。3235万円ともなると、なかなか普通の家庭では払えないが、そこそこの金額だったら『将来に傷がつかないように』とか『かわいい子どものためなら』と思って支払ってしまう親がいてもおかしくありませんから」(前出の捜査事情通)

 目先のカネに目がくらんだばかりに、高い授業料を支払わされるところだった。