普通、（アコースティック）ピアノの上には、重い本などを置くのはもってのほかだが、電子ピアノの場合余り関係なく、楽譜や音楽本置き場にしてしまう。手元にあって時折紐解く書籍だけ電子ピアノの上に置き、あとは楽譜。ざっと５０冊ほどが立っている。古い全音の楽譜などは処分した。実家の楽譜もいつか処分しよう。

気が早いので、すでに鏡餅まで飾ってしまった。

額の日本画は上松松園の「序の舞」。松園は女性で初の文化勲章受章者で、美人画を描いた。この「序の舞」が芸大美術館所蔵で、松園のなかでも僕が最も好きな絵だ。落ち込んでいる時や物事が上手くいかないときなど、気が引き締まると共に、初心を思い出しやる気を引きだしてくれる。日本画は基本的に一瞬の刹那を切り取った場面が多いが、松園は動画を瞬間瞬間切り取って並べた時、ある一瞬を引きだしてみせた感じを受け、特に「序の舞」では舞の所作が画角の中で動き始めるようだ。

後ろの本の中で、貴重なのは「メンデルスゾーン」で、絶版本を図書館で読んでいたが、コレクターの方から譲ってもらったものだ。

青い「楽典」は若い頃から使っていてボロになって捨てて、買い直してで３冊目。最早不要だが、なんとなく捨てがたい。

この中で「亡命の音楽文化誌」は面白かった。「文化史」ではなく「文化誌」なのかタイトルに疑問はあるが、時間軸と戦争・亡命という視点で音楽史を語るという新しさは、興味深い試みだ。

右側の林先生の「新しい和声」は、特に新しくない、一般的な「和声学」の教科書だ。これも２冊目。楽理の教科書はとにかく書き込んだり、広げて見るので、傷みが激しい。

恩田睦さんの「蜂蜜と遠雷」は直木賞受賞作品で、初版を買って、直木賞受賞の帯が付いた版を買った。おそらくピアノ演奏家や審査員の心理に迫った小説としては初めての試みだろう。コンペティションのシーンなどはすごくどきどきした。

今日はこのへんで。

音楽の本