今日は私にとって一つの思い出の日になる。断乳する日。
1歳7か月になる息子はいまだにおっぱい(母乳と乳首)が大好き。
産まれてすぐ、きれいにしてもらったり、検査をしてもらったりの一通りの事が済んだあと、30分もしないうちに、看護婦さんに連れられまだ分娩台の上にいる私のところにもどってきた。そしてはじめてのおっぱいを飲んでくれた。まだ初乳もでてないだろうに、おっぱいにちゅっちゅっと吸いついてきた。
私もまだ母の実感なく、母乳のやり方も全く分からずだった。看護婦さんに赤ちゃんを乗せられたまんま、抱き方もわからずぎこちない。自分から出てきたのに自分の子供じゃないみたいな気もする。変な感覚だった。でも、誰も何も教えないのにおっぱいを知っている、おっぱいの吸いつき方、吸い方を知っているこの人間の赤ん坊を見て、動物の原始能力にとても驚き、ちっちゃいのに自分の生命を維持するためにせっせと私のおっぱいを吸っている様子を人ごとのようにみては、なにかしら最初の親子の絆らしきものを味あわせてもらえたことを覚えている。
そして2日後家に帰り本格的な授乳がはじまる。おっぱいがぽたぽた落ちるほど出てきている・・・なのに寝ない赤ちゃん・・・。昼夜、泣き叫び通す・・・。マンション中が起きてしまうほど、赤ちゃん自身の声が枯れきって出くなるほど・・・。お医者さんや本は母乳は一日何回、とか、片方7分、そしてもう片方、そして終わり。次まで3時間ほどあける。だらだらあげてはいけないという。信じ切っている私。周りの人は母乳が足りていない、ミルクをあげたら、寝方(アメリカ流の一人で部屋に寝かせて、泣いているのを寝方を学ぶようにサポートする方法、というが、私には泣かせて諦めを覚えさせるように思う)を教えないといけない、寝ない子は脳の発達に影響がでてくる・・・・などなどなどなどいろいろアドバイスをくれた。つらくてつらくて睡眠不足もあって頭が混乱して(一か月は寝た覚えがない。たぶん一日合計で1、2時間程の睡眠時間だったと思う、というか、やっぱり寝た覚えがない)情緒不安定になり、母乳が全く足りていないからミルクに切り替えた方がいいとのアドバイスにすがりついて一か月半の時にミルクに切り替えようと母乳をやらなくなりつつあった。でも寝ない・・・。一日中不機嫌に泣き叫び通す・・・。でも義母や義姉妹に抱っこされるとすっと眠ったりする。私が悪いのか・・・。母親として失格だと思った・・・。次はアメリカ流の寝方を教えるように周りのアドバイスが強くなる・・・。試してみた。でも、あの泣き叫びを聞くと、私の心と体の全身からこれは違う、こんなことはしたくない、息子は何か違うことを一生懸命言っているんだ、と感じる。
八方塞がりになっていたその頃、街のサンドイッチ屋でケイティーというヒッピーの女性と出会った。その女性はうちの息子よりも少し大きな赤ちゃんをスリングで抱っこしていた。そしてその赤ちゃんはスリングの中でおっぱいを飲んでいる。会計で前後になったのをきっかけにお互いに話し始める。私、「一日に今何回おっぱいあげてるの?」 ケイティー、「数えてない、覚えてない、娘がほしがったらあげてる」。私の口ポカン。私、「どんなふうに毎晩寝かせつけてるの?」 ケイティー、「一緒に寝てる」。その後ケイティーは添い乳の仕方も身振り手振り教えてくれた。
すごく意外で新鮮だった(アメリカでは一緒に寝ることは勧められないから)。私は今までの経緯と母乳を諦めてミルクに切り替えようとしていることを話した。するとケイティーは1か月半で母乳をあきらめてはダメ、これからが大事でこれからどんどん出てくるからあげ通した方がいい、泣いたらあげて、お腹がすいてなくても、おっぱいで心が癒されて落ち着くからどんどんあげたらいい、と、周りの人やお医者さんや本とは全く違ったアドバイスをくれた。私はそのアドバイスがすきだった。母乳を諦めかけていた私はもう少しだけでもおっぱいをあげたいという気持ちからケイティーに「できるだけ頑張ってみる」と言って別れた。その後家が割と近いことがわかり、ケイティーが何度か家に遊びに来てくれた。そして泣いているうちの息子をみては、私に「はい、おっぱいあげてあげて」。息子が一通り吸いついていたのを見ては、「じゃあ私が抱っこしててあげるから、搾乳機でポンプしてポンプして。何も出なくてもこうしてるうちにおっぱいが出てくるようになるから」と、自分は娘におっぱいをやりながらもう片方の腕でうちの息子を抱っこしてくれた。
最初のうちはまだそこまで頻繁におっぱいをあげることに抵抗を感じていた私も、そうこうしているうちにその頻回授乳が私と息子にとってとても自然になってきた。息子もおっぱいを飲んでいるとすごく情緒が安定して、幸せそう。そしておっぱいを飲んでいる姿がこの上なくかわいい!公共の場でもおかまいなしになった。
そのケイティーは3週間後に引っ越ししてしまって残念だったが、本当に息子ともども助けてもらったと思っている。感謝!感謝!感謝!
そしてその同時期に前回も書いたがなおっぺさんのWebサイトとも出会い、それにもずいぶんお世話になり助けられた。感謝!感謝!感謝!
そして授乳は今日まで続いた。母乳も3か月頃からよく出ていた。病気になったときは特に、おっぱいが生命源だった。さみしい時も、こけて痛かった時も、甘えたいときも、眠い時も、なんとなく欲しい時も、いつもおっぱい。おっぱい、おっぱい。
歯が生え始めて痛くて眠れない時もおっぱいで乗りきった。
今思うと、私も、息子も本当におっぱいに助けられた。おっぱい、ありがとう!
本当は卒乳させてあげたかったんだけどね。
うちの息子あまりにおっぱい好きすぎて17か月半の未だに、一晩通して寝たことがなくて、2,3時間置きに起きるならまだがんばれるんだけど、なんと、寝付いて15分とか、40分とかで起きて、だいたい平均1時間か1時間半間隔で一晩中、朝まで起きるもんだから、いくら添い乳をしているとはいえ、38歳のこの体にはちょっときつくなってきてさ・・・。旦那も二人目欲しそうにもしてるしさ・・・。少し息子の睡眠状況も心配で、一晩通してじっくり寝させてあげたいとも思うしさ・・・。そんなことを考えてたら。旦那もうまく週末を通して家にいられるらしく、思い切って決断しました。
今日は昼間におっぱいをあげながら「これで最後だからね~」と伝えました。わかってるかな~?どうかなぁ~?
夜の寝付きは初めての旦那。さてどうなるかなぁ~。
息子~ごめんね~。二人ともがんばってね~。
うまくいきますように。
息子が寝られますように。