「波間の帰り道」終焉のご挨拶
たった2回のステージではありましたが、無事に終えることができました。
関わってくださった全ての方々に、改めて御礼を申し上げます。
誠に有難う御座いました。
僕は今までにも何本か戯曲を書いておりますが、その全てが実在の出来事を題材にしております。そして今回も勿論そうです。ですが今回は初めて、自分の身の回りに起こった事を題材に選びました。ニュースにも話題にもならない、ごく個人的な出来事です。
そしてこのご時世ならではの偶然で、アクリルボードで作られた水槽に浮かべることとなり、皆様に鑑賞していただきました。
一人の男の人生のその一端を、まるで観賞用熱帯魚をみる感覚で皆様に覗き見していただいたのですが、それは一体どんな感覚だったのでしょうか?もし皆様が背徳感みたいなモノを感じていたとするならば、僕の試みは成功したと言えます。
しかし演劇は舞台に上がった瞬間から、僕たちのものではなく皆様のものです。お好きな解釈で楽しんでいただければと思います。
瀬戸内海を漂う一人の男は、やがて我が家に帰ります。家族に迎えられ囲まれ、沢山怒られるのです。ですがそれこそが彼の望む未来であったに違いないと、僕は思うのです。
改めて皆様に。
誠に有難う御座いました。これで終わりです。
ワンデー櫟原