月の夜帰宅途中、以前暮らしていた街でよく利用していたスーパーの店員さんを見掛けたわたしが引っ越す少し前にそのお店は閉店していた笑顔の素敵だったお姉さんはひどく疲れた様子でバス停のイスに座っていたあのお店の他の店員さんはどこへ行ったのだろう居場所について考え巡らせながら答えを見つけられないまま暗く静かな部屋へ帰宅した月がきれいだった荷物を置いて着替えることもせず暗い部屋の窓からしばらくその月を眺めていた