起きたら もう 空気がオレンジ色だった。
曇りガラスは 早くもすみれ色に染まり始めていた。
洗濯機を回して歯磨きをしながら、気紛れな秋の空を想う。
そろそろ雨を降らすのかい?
ふと目に入った本を手に取った。
浅野いにお「世界の終わりと夜明け前」
装丁の写真がこの間見た夕陽に似ている。
この人の漫画は何冊か持っているけれど、
普段はほとんど読むことはない。
それでも買って こうやって側に置いているのだから、
それなりに必要とはしているのだろう。
だけど、人には勧めない。
受け付けない人も多い気がする。
映画を観たり本を読んだりして
人が創った様々な世界に触れていると、
どれが本物なのか どれが現実に近いのか分からなくなってくる。
そもそも現実だって
自分という存在でしか生きたことがないから
何が本当の現実と呼べるのかも定かではない。
久しぶりに読みながら、
自分の現実はこの本の世界に近いなと思った。
思ってすぐに、ゾッとした。
それはいいとして、
虹を真上から見ると輪に見えるって本当なのだろうか..