薄ぼんやり霞む月。
くっきり輝く満月じゃなくて良かった。
今夜は眩しい月など見たくない。
もう すっかり夏で、
少し歩いただけでクラクラした。
暑いから当たり前なのだけど、
街行く人々の露出が多くて
なんだか落ち着かない。
暑がりな自分も薄着なのだけど、
二の腕を出しているのが
今日は妙に恥ずかしかった。
なんでだろ、変な感じ。
浴衣姿の女の人を何人か見掛けた。
素敵だなと思った。
悲しくなった。
泣いたりしない。
汗も涙も、
勝手に流れてこないでくれないか。
干涸びてしまう。
八百屋さんにたくさんスイカが並んでいた。
今年も一回くらいは買って食べようか、なんて
切ない心持ちで考えても 全然楽しくなかった。
自分なんて大嫌いだ。
太陽に照らされて蒸発してしまえ。