明るい明るい黄色い一日。
つば広の帽子をかぶり出掛ける。
前を歩く老夫婦。
杖をつくおばあさんに優しく手を添え、
ゆっくり並んで歩くおじいさん。
そのおじいさんの、
綺麗にプレスされた爽かな水色のシャツを見ていたら、
少し救われた気持ちになった。
そんな光景に出くわすと、
世界は案外平和なんじゃないかと思ってしまう。
雑誌のインタビュー記事を読んでいて、
“あの頃は辛かった、今では笑い話ですけどね”
などという文章をときどき目にする。
自分もいつかあんな風に、
今の姿を日記に書きたいなと面白半分に思ったりした。
お米やトイレットペーパーなど、
無くなるまでに何ヶ月もかかるような物を買う時、
「とりあえず もう少し耐えて生きてみるつもりなんだね..」と
無意識にそんな変なことを確認してしまう。
少ない方にしておこうか、
でも多い方がお徳だし、なんて一人で考えていると
もうそろそろ赦してもらえないかな、という気分になる。
お菓子売り場で、
突然男の子に 「はいッ」 とチョコボールを渡された。
前にも同じようなことがあった気がする。
なぜ・・・。
おいしいから買いな、そう言いたいのだろうと解釈する。
一応受け取っておく。 大人だし。
満足気な笑みになって立ち去る姿を見送ったら任務完了。
こっそり棚に戻す。
やはり世の中は謎に満ちている。