流れる自宅の窓から見える空 こんなに建物に囲まれた場所でも、 上を見上げればいつだって空は在る 一瞬たりとも同じ表情はない 後ろから夕陽に照らされ、伸びた自分の影は ひょろりと長くて、 上空を覆う薄い雲は、まるで蜘蛛の巣のようで 途方に暮れながら歩くわたしは、 蜘蛛の巣の罠に掛かってしまった虫だと思った 無力な臆病虫 暗くなってきた 始まるよ 夜の御目見えだ