幽霊になりたいと、ふと思った
幽霊といっても、
星になれずに地上をさ迷う哀しき姿ではなくて
今のままの私。
顔色は良いし、
足だってしっかりある
体もちゃんと温かい
私が消えて寂しがってくれた人の前に現れて、
苦しい時を救ってあげる
その時には、生きてる人と同じように
言葉を交わしたり触れたりすることもできる
幽霊なら眠らなくても平気だし
お風呂にも入らない。
歯も磨かなくていいし、
トイレに行く必要もない
お腹も空かないからご飯もいらない。
働く必要もなくて楽チン
会いたいときに会いたい人の前に現れて、
愚痴を聞いてあげたり涙を拭いてあげる
心の声で呼ばれたら、
いつだってすぐに助けにゆく
そんな幽霊になりたい
時が経って、
みんなのそばに守ってくれる大切な誰かが現れて
いつか記憶の中から私の存在が薄れたときに、
そのときに..
私は静かに星になる
小さな小さな星になる