真ん丸のお月様を見てると
自分の存在するこの世界は黒いポリ袋の中で
あの空高くに光るお月様は袋の口
あちらの世界にいる誰かが
サンタクロースみたいにこの袋を担いでて
こちらの闇とは逆に
眩しい程の明るい世界が広がっている
人間の世界に生かされているような
虫や鳥たちのように、
実は人間も何かの存在が棲息する世界の中で
生かされているのかもしれない
なんて空想しながら
夜道を歩く
東京は作り上げた明かりが多いから
せっかくの星空まで照らしてしまう
皆の溜め息で曇ったような空気が覆い、
微かな輝きさえ濁らせる
「月を追い掛けて 迷子になった子を 叱ってはいけません」
もし月に触れることなど出来ないと知らなかったら、
どれくらい追い掛け走れるだろ