先日、コロナ禍になって初めて特別養護老人ホームに行った。
9か月ぶりに、96歳の母親に会いに行った。
(会って、「母親がコロナで死んだ」なんてことになったら、後悔するだろうと思い、なかなか足が向かなかった)
普段の様子は、職員さんとの電話でのやり取りで聞いていた。
最近、食事を残すことがあると聞いていたので、かなり弱っているのかと気がかりだった。
(いつ死んでもおかしくない年齢なので、死ぬ前に一目会っておきたいう感情が湧いたのだ)
弱弱しい姿を想像していた。
目の前に、看護師の方と車いすに座った母親が現れた。
ん?何?オイ!
家にいたころ、病院にいたころより、穏やかで元気そうに見えた。
耳が遠かったのでノートにマジックペンで「元気ですか」と書いた。
「うん、うん、元気」
何度かノートに書いてコミュニケーションを取っていた。
母親は、「目が悪いから見えへん」と言いながらやり取りをした。
何気に呟いた言葉に反応した。
「えっ、聞こえるの?」
「うん、聞こえるよ」
え~~~~~、なんで?
以前までは、耳元で大声を出しも、「何?」と、なかなか聞き取れなかったほど、耳が遠いと思っていたのに、ソーシャルディスタンス、母親との間にシールドという、声によるコミュニケーションが取りずらい悪い状況にもかかわらず、私のボソッと発した小さな声に反応したのだ。
特別養護老人ホームに入る前の姿と、現在の姿が変わったことに驚いた。
特別養護老人ホームの皆さんの手厚い介護のお陰以外考えられない。
穏やかな表情を見て、「みんなに良くしてもっらているようやね」と聞いた、「うん、良くしてもらってる」と答えた。
コロナ禍の非常に厳しい状況のもと、特別養護老人ホームの方々の負担は、私の想像を遥かに超えるものがあると思います。
私は、コロナが発生した時、何時、母親がコロナにかかってもおかしくない状況になったなと感じていました。
コロナによる母親の死を受け入れました。
そんな中、元気で、穏やかな母親の姿を見れたのは、奇跡の様に感じました。
特別養護老人ホームの方々には、本当に感謝します。
月並みですが、「ありがとうございます」
