小野リース事件(最判2010・5・25)というのがあります。


労働者への解雇についての損害賠償が争われた事件ですが、この労働者が、


・酩酊状態で出勤

・勤務時間中居眠り

・嫌がる部下を連れて、昼間からスーパー銭湯(と思われる?)で飲酒

・イベントで呂律が回らなくなるほど酩酊


という、問題児さんでした。


いや、ここまでなら解雇相当だろ!という感じです。

実際、取引先や社内からも苦情がでてたみたいです。


が、ところがこの人、仕事はかなりできる人みたいで、中途採用で次長で雇われてから、とんとん拍子で取締役兼統括事業部長まで出世しているのです(T_T)

社長も軽く注意はしていたみたいですが、それほど強い注意ではなかったみたいで。


しかしあるとき、失敗をやらかして、結局すったもんだで解雇になった、それが不当解雇か、という問題です。


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地裁・高裁では、

・(解雇になりうるという)明確な警告や、懲戒処分等をしていなかった

・かえって昇進により問題を自覚させていなかった


ということで、450万円相当の損害賠償が認められたのですが、最高裁で逆転(破棄自判)。

要は、職場秩序を乱して、勤務態度を改める姿勢にも乏しかったのだから、やむを得ないだろう!

ってことです。



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この本に、この判例の解説が出ていますが↓




http://www.amazon.co.jp/%E3%82%88%E3%81%8F%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B-%E5%8A%B4%E5%83%8D%E5%88%A4%E4%BE%8B%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E9%9B%86-%E5%B1%B1%E7%94%B0-%E7%9C%81%E4%B8%89/dp/4903613135/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1422714067&sr=8-1&keywords=%E3%82%88%E3%81%8F%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B%E3%80%80%E5%88%A4%E4%BE%8B


「…人材不足の企業などでは、周囲との関係が円滑であれば、酒ぐせや素行に多少問題があっても、能力の高い労働者の方が出世している、というケースもあるでしょう」って。


いかがでしょうか(笑)





 ブログがほぼ死火山化しています。。。



 やっと労働組合法のレポートの採点が終わってこれから車の雪を払って家に帰ろうかな。


 生協で面白そうな本を見かけたので購入しました。

 筆者は哲学者みたいですけどね。「絆」に文句つけるあたりで、よほどするどい人か、あるいは私のように、人として大事なネジが足りない人か(笑)

 リア充をしり目に、クリスマスにこういうのも読んでみるのも、いいかもしれません。



中島義道「反『絆』論」
http://www.amazon.co.jp/%E5%8F%8D%E3%80%88%E7%B5%86%E3%80%89%E8%AB%96-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E4%B8%AD%E5%B3%B6-%E7%BE%A9%E9%81%93/dp/4480068112