一所懸命と名こそ惜しけれ 1
なまず ~゜・_・゜~ ごときが
司馬遼太郎対談集1 この国のはじまりについて
対談者:林屋辰三郎、湯川秀樹、永井路子、E・O・ラィシャワー、
網野善彦、原田伴彦
縄文から江戸期までを通して極東の離れ小島の住人が、どの様に
して日本人となり、日本国になったかが縦横に語り合われる。
司馬さんは、「日本人のありかた」の原型(精神の原型)を鎌倉
(東国)武士の精神に見出す。
「一所懸命」:
俺が開墾して得た俺の土地だ、俺が働いて褒賞として得た俺の
土地だという東国武士の働いたら報われるという論理とリアリズム
「名こそ惜しけれ」:
時には実利・生命より名聞(名誉)を重視する性癖
この東国武士のルーツは、日本書紀・天智5(665)年「百済の
男女二千人を東国に置く」、続日本記・天平宝字4(760)年
「新羅一百三十一人を武蔵国に置く」あたりの時代であろうと。
未開の地へ入植した彼らは集団で必死になって農業技術を身に
着けたであろう。
東国武士の先祖は入植者と非常に関係が深いであろうと。
また現在では日本人がどのように形成されていったという問題
はDNA分析で示されているが、本書では南から黒潮に乗って、
北から日本海を渡ってやってきた人たちが混ざりあってできたと
語られている。この島にたどり着き生きていった、いく人が
日本人だ、と言外にいう。
ざっくりと以上のような認識(一所懸命とリアリズム、名こそ
惜しけれという倫理観)の上に明治以降のアジアにおける歴史
認識をしないとアジア諸国、世界の国には理解されないのでは
ないかと~゜・_・゜~は思っている。