ブータンの居酒屋
海外こぼれ話
2000年の年に二度ブータン王国に仕事で行ったことがある。
二度目は年末で約一ケ月を過ごした。
ブータンは山また山の国である。
ニューデリーあるいはバンコックからドゥルック航空の4発ジェット
で一飛びパロへ、ニューデリールートの場合ヒマラヤ山脈が見渡せる。
パロに近づいてからはスリル満点、峰を這うように飛び川沿いの
パロ空港に着陸する。
4発ジェットはこれゆえかと納得する。
パロから首都ティンプーまでは車で行く。
私は、会社の契約ドライバーの車で行った。
ドゥルック航空の空の旅以上にスリリングなドライブになる。
道路は山を切り崩して造られており、片側は山、片側は崖、舗装なし、
センターラインなし。
カーブの度にドライバーはクラクションを鳴らすがスピードは
落とさない、時々トラックとカーブですれ違う。
1時間強、カーブの連続でへとへとになる。
さて、ティンプーに着くとそこは別世界だった。
みんなが民族衣装を着ていて人懐っこそうな日本人と同じ顔が
歩いている。
殆ど仕事の日々を過ごしたが、対面するひとたちは、みな柔和であった。
ある夜、仲間と二人ずれで居酒屋に入った。
店の中は土間で木造り、簡単な造りで仕切られた店内が見渡せる
一角に座る。
店内には、日本の女優のカレンダーが切り離して貼ってある。
山本富士子、岩下志麻などの大写しのものである。
レトロな雰囲気、三丁目の夕日の世界にタイムスリップしたようだ。
さて注文、早い時間だったので客はまだいない。
注文を聞きにきた少女は、弟を背負っている。
はにかみ口数は少ない。
先客の食っているものを見て、あれと同じものとの注文はできない。
結局、地酒焼酎のお湯割りと陳列されている貧相なポテトチップスを
注文した。
焼酎のお湯割りは濃い、ゆっくり飲むのにはよい。
そのうち、50代と思われるひげ親父さんが入ってきた。
注文したものを見ると、焼酎のお湯割りとスープ風のもの。
上手そうにスープを飲み、骨付き肉を齧りお湯割りを飲んでいた。
飲んでいたスープは、ヤクのスープとのこと。
塩味のみとのことで我々は注文を遠慮した。
お代わりをして雑談をしているといい気持になってきた。
そろそろ帰ろうと勘定すると、驚くほど安かった、うーんである。
夕刻に1日の仕事を終え、一杯飲んで身体を温め1時間程先の
自宅へ帰るひげの男と弟を背負ったあどけない少女の居たほのぼの
とした居酒屋をふと思い出す。
2000年のデータでは、人口約60万人、電話加入者数
17,000台、自動車7,000台となっている。
2010年時点の人口は約70万人、GHPの国に幸あれと願う。
海外こぼれ話
2000年の年に二度ブータン王国に仕事で行ったことがある。
二度目は年末で約一ケ月を過ごした。
ブータンは山また山の国である。
ニューデリーあるいはバンコックからドゥルック航空の4発ジェット
で一飛びパロへ、ニューデリールートの場合ヒマラヤ山脈が見渡せる。
パロに近づいてからはスリル満点、峰を這うように飛び川沿いの
パロ空港に着陸する。
4発ジェットはこれゆえかと納得する。
パロから首都ティンプーまでは車で行く。
私は、会社の契約ドライバーの車で行った。
ドゥルック航空の空の旅以上にスリリングなドライブになる。
道路は山を切り崩して造られており、片側は山、片側は崖、舗装なし、
センターラインなし。
カーブの度にドライバーはクラクションを鳴らすがスピードは
落とさない、時々トラックとカーブですれ違う。
1時間強、カーブの連続でへとへとになる。
さて、ティンプーに着くとそこは別世界だった。
みんなが民族衣装を着ていて人懐っこそうな日本人と同じ顔が
歩いている。
殆ど仕事の日々を過ごしたが、対面するひとたちは、みな柔和であった。
ある夜、仲間と二人ずれで居酒屋に入った。
店の中は土間で木造り、簡単な造りで仕切られた店内が見渡せる
一角に座る。
店内には、日本の女優のカレンダーが切り離して貼ってある。
山本富士子、岩下志麻などの大写しのものである。
レトロな雰囲気、三丁目の夕日の世界にタイムスリップしたようだ。
さて注文、早い時間だったので客はまだいない。
注文を聞きにきた少女は、弟を背負っている。
はにかみ口数は少ない。
先客の食っているものを見て、あれと同じものとの注文はできない。
結局、地酒焼酎のお湯割りと陳列されている貧相なポテトチップスを
注文した。
焼酎のお湯割りは濃い、ゆっくり飲むのにはよい。
そのうち、50代と思われるひげ親父さんが入ってきた。
注文したものを見ると、焼酎のお湯割りとスープ風のもの。
上手そうにスープを飲み、骨付き肉を齧りお湯割りを飲んでいた。
飲んでいたスープは、ヤクのスープとのこと。
塩味のみとのことで我々は注文を遠慮した。
お代わりをして雑談をしているといい気持になってきた。
そろそろ帰ろうと勘定すると、驚くほど安かった、うーんである。
夕刻に1日の仕事を終え、一杯飲んで身体を温め1時間程先の
自宅へ帰るひげの男と弟を背負ったあどけない少女の居たほのぼの
とした居酒屋をふと思い出す。
2000年のデータでは、人口約60万人、電話加入者数
17,000台、自動車7,000台となっている。
2010年時点の人口は約70万人、GHPの国に幸あれと願う。