奇想天外な話
こんなとき、あんな本

「聖徳大使の密使」、「道長の冒険」 平岩 弓枝

 生命科学や宗教哲学からの人間の在り方を考えさせる読み物は
読みごたえがある。
また、生命科学・遺伝子領域は凄まじく進歩しており、遺伝子診断
・治療は注目しておく必要があると思っている。

 でも続けて読むと疲れる。
こんなときには目先を変えて奇想天外な小説とか歴史小説がよいと
思い、上記を読んでみた。

 むかし黒岩重吾の古代史小説で聖徳太子や役小角の史実らしい
ものに作家の飛躍した想像がないまぜになった読み物で面白かった。
そんなことを多少期待してのチョイスだったが、ともに奇想天外な
はなしである。

 作家は、なんのために書いたのだろうか。
「孫悟空」を書いた余韻で書いたのだろうか。

 二冊とも、主人公プラス随行者が旅をする。
道中、鬼神・物の怪に次から次に会い難渋するが、神がかり的な
奇跡により解決していき、成長していくというものである。

 「道長の冒険」の方には、雅楽の知識が散りばめてある。

 物語はてきぱきと進んでいくので、時間の一杯ある人の頭やすめ
にはよいかも知れない、、、。