我が恩師、黒沼ユリ子先生のラストリサイタルです。
様々な賞や勲章を受賞し、著作も多数あり。
世界的バイオリニストの先生と、私が出会えたのは、私がメキシコに住んでいたときのことです。
私は小6から中学卒業までメキシコに住んでいたのですが、その時期、長い休みがあると先生のお宅へお邪魔し、何日か泊めていただいてレッスンを受けていました。
その頃の私は音楽の道へ進むことなど全く考えていませんでしたが、バイオリンを弾くことは大好きでした。メキシコに転勤になった時に、なんとかバイオリンを続けさせてあげたいと母が先生に手紙を書いてくれ、そして先生が直接連絡を下さったのです。
音楽の道を選ぶにしても選ばないにしても、私にとってあそこで過ごせた時期は何にも代えがたい宝物のような時間でした。
中学生の時、人間関係のいざこざで手にヤケドを負わされ、バイオリンが一時期弾けなくなってしまった時も、『遊びにいらっしゃい』といつものように招いてくださって。
あの頃の私には、先生にお会いできることが救いだったのだと思います。
日本に帰国し、音大に進学した時も、激励のメールをくださり、卒業の時にもまた、くださりました。
コンサートの最中、そんな思い出が頭をよぎり続け、ずっと涙を堪えながら先生のヴァイオリンに聴き入っていました。
これで先生の演奏を聴けなくなってしまうのかという寂しさと、感謝の気持ちと、いろんな想いが溢れ出し、コンサートで堪えていた涙を寝る前のベットの上で思い切り流しました。
私の人生の中で、こんなにも偉大な、海のような方に出会えたことは、本当に奇跡であり、またその出逢いを巡り会わせてくれた母にも、感謝をしています。
今でも時々レッスンをしてくださいますが、ご自宅に伺う度に先生の言葉に感銘を受け、帰り道では泣いて帰ります。
先生のお教えを、私の大好きなバイオリンにすべて詰め込められるように、これからも努力を続けていきます。
御歳75歳。どうかいつまでも、元気にお過ごしくださいますように。
文字ばかり!長くなってしまいました。
書き出すと止まらなくなっちゃって(笑)
最後に(意味はありませんが)愛犬の写真を…
黒沼先生も犬が大好きで、メキシコのご自宅に伺う度にたくさんいた愛犬と遊んだことを、思い出します。