僕には「愛する息子に真実を残したい」ことに加えて、「親子が安心して愛を育めるより良い社会にしたい」という目的や思いがありますので、本日は「実子誘拐の問題ついて」お話したいと思います。

 

"実子誘拐"とは、 "片親による子の連れ去り" (parental child abduction) のことで、欧米では誘拐と判断されて即逮捕されます。日本の古いドラマのワンシーンのような「夫が仕事を終えて自宅へ帰ったら、家がもぬけの殻で、妻が子供を連れて実家に帰っていた…汗」というのが分かりやすい実子誘拐のイメージです。

 

※当然、現実世界では逆の(夫が妻に無断で子供を連れ去る)パターンもあります。

 

ここで重要なのは、「夫婦喧嘩においてどちらが悪いのか」ではなく、子供が持つ「親と引き離されない権利」が侵害されていることです。夫婦喧嘩の原因が何であれ、一方的に子供を連れ去る行為そのものが、日本が批准する「子どもの権利条約」に違反しているのです。

 

※例外として、夫(妻)による子供へのDV等が明らかな場合は、子供の保護を優先するとの観点から、連れ去りが許容される場合もあるそうです。

 

<子どもの権利条約第9条>

 

ところが、日本は同条約を批准しているにも拘わらず実子誘拐に対する罰則制度が存在しないため、連れ去りが横行し社会問題化しています。このような状況を見かねたEU議会は、2020年7月8日、日本政府に対して国際ルール(子どもの権利条約)を遵守するよう強く要請しました。さらにEU各国は、日本を「子供が連れ去られるリスクのある国」と認定しました。


このように、日本の実子誘拐の問題が、諸外国からどのように(悪い意味で)評価されているのか、多くの皆様に知って頂きたいと思います。

 

さて、僕がSNSで情報発信を始めて半年が経過しました。この間、沢山の皆様から応援を頂く中で、新たな出会いもありました。つい先日お会いしたのは、配偶者に息子さんを連れ去られてしまった日本在住のフランス人紳士でした。愛しい我が子と生き別れた地獄の苦しみと戦っておられ、欧米ならば誘拐なのに…と嘆いておられました。

 

この時、僕は「なぜ日本人はこの問題に関心が無いのですか?自国の子供たちの不幸をどうして改善しようとしないのですか?」と質問を受けました。この方が母国フランスの友人に、日本で実子誘拐をされた話をしても誰も信じてくれなかったそうです。「どこかの発展途上国の話だろう?」「平和で有名な経済大国の日本でそのようなことはありえない」と多くの友人が話したそうです。

 

僕は、自分も子供に長らく会えていないことを伝えた上で、この方の質問に次のように回答しました。

 


「たしかに日本人には、積極的に声を上げて抗議をすることを避ける傾向があると思います。けれども、長い目で見れば日本の(僕を含めた)大衆の判断は間違うことは少ないと思います。日本には「お天道様が見ている」「見ている人は見ている」という言葉がありますが、実は見ていないようで皆さん見ていますよ。現行制度がおかしいのは明らかですので、声を上げ続ける限り、きっと変わるはずです」



確かに、理想と現実には大きなギャップが有りますが、愚痴を言っていても始まりません。理想や考えを表明してそれに向けて努力をしていくことが大事だと思っています。

 

僕の理想や考えはこうです。

 


実子誘拐に対する罰則のない現行制度・慣習は「子供の権利条約」違反であるため速やかに改善されるべきですし、「子供の権利保護」を中心に据えた制度の整備が急務だと思っています。”夫婦の離別”と”親子の離別”を切り離すような制度設計をしなければ、沢山の子供が苦しみ続けてしまいます。

 

もちろん、僕はDV加害者を擁護するつもりは一切ありませんが、それでもDVと実子誘拐の問題は切り離して考えるべきです。 何よりも優先されるべきは「子供が両親から等しく育まれる権利」の保護であり、これを保護したうえで、"公正に判断がなされた一部のDV親"(特に子供へのDV親)に対しては厳正に対処し、子供の保護を目的に面会を制限すべきだと思います。


 

以上、

本日は実子誘拐の問題に対する考えを整理致しました。外国人とお話することは、むしろ日本を理解する機会になると実感しました。

 

いつも暖かい応援をくださり、誠に有難うございますビックリマーク