サヨナラのかわりに | 大宮さんと一緒 。。。

大宮さんと一緒 。。。

大宮さんの妄想BL小説です。
色々、大丈夫な方のみお読み下さい。

にのちゃん大好き♡嵐さん大好き♡

大宮さんに癒されて、ドキドキして、毎日幸せ。

嵐のみなさんずーっと、幸せをありがとうございます!




その人を知ったのは蒼い月の浮かぶ海の絵。


大学までエスカレーター式の中学で、のほほんと中学生活を送ってた俺。



中学と高校が同じ敷地内の同じ校舎にある学校で、文化祭は毎年合同で行われる。


中3の秋の文化祭。


美術部の展示を見に行ってその絵を見た。



暗い海の上、
青白い空に浮かぶ

蒼い月



一緒に居た友達の声なんて聞こえなくなってた。



懐かしいような
切なくて
寂しくて

どうしようもなく美しくて


吸い込まれそうなその絵に


俺は魂をもっていかれた。



友達にごめんって謝って、別行動にしてもらって。




いつまでもいつまでも

その絵を見てた。






「その絵、気に入った?」



突然聞こえた声は、耳に優しくて。

隣に立ったその人を見たら

ふにゃんと笑ってた。



「好きです」

「そっか。おいらも好きだよ」

「同じですね」

「同じじゃねぇよ」

「なんで?」

「おいらの好きなのはお前だもん」

「は?」

「お前、名前なんて言うの?」

「は?」




ふにゃんと笑って俺に名前を聞いた人。

大真面目に俺を好きだと言った人。


大野  智さん



高校3年生の先輩で

蒼い月の絵を描いた人で



俺の初めての恋人になった人。





次の春、付属の大学の芸術コースに進学した大野さんは、高校生になった俺をしょっちゅう迎えに来てくれて。


帰り道デートするのが俺の高校生活のほとんどだった。



そうやって日々を重ねて
気持ちを重ねて


大野さんに俺のハジメテも捧げて





俺が大学生になった年の夏。


大野さんは外国に行っちゃった。





「かず、ごめんな」



って。


大野さんの友達から渡された手紙。


一言だけのメッセージ。




涙がポロポロこぼれて止まらなかった。




哀しくて
寂しくて


大好きで


大好きなんだよ…それでも


悔しくて泣けちゃって仕方なくて




抱きしめた手紙の裏に



小さい文字で



アイシテル







馬鹿じゃないの

馬鹿じゃないの

馬鹿じゃないの.....




今度こそ涙がとまらなくて

しゃくりあげるほど泣いて





アンタのこと泣いて諦めたりしない。


ただ此処で待ってるなんてことしない。




アンタが後悔するくらいキラキラの俺になって

アンタの前に立ってやる。





「大野さんのバカーーー!!
アイシテルーーー!!!」




サヨナラのかわりに叫んでやった。