大宮さんの妄想bl小説ですが、末ズ風味が強めです。
それでも良いよーって方、お読み下さい。
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「なあ、カズ。今日時間ある?」
打ち合わせが終わって、帰り支度をしてるカズに声をかけた。
「ん?あるよ。何?」
「久しぶりに、飲みに行かない?」
「あ、みんなで?」
「いや、ふたりで」
一瞬、訝しむような顔をして、すぐにその表情を消すと、チラッと大野さんを見て、俺に視線を戻した。
「良いよ。行こっか、潤くん」
もう、くしゃっと笑ってる。
この笑い方の時は、カズが素の時だ。
大野さんを見て、その顔するってことは、二人の間では何か、通じあったんだろうな。
それが、なんとも羨ましくて、俺とは?って考える。
俺とはコンサートの時がそうだよな。
ピンチの時、カズは必ず俺を見て、俺の指示を待ってくれる。
その場を繋ぐことも、一瞬の目の動きだけでわかって、やってくれる。
大野さんとのアイコンタクトは、それとは違った。
当たり前だよな。
ふたりは長くつきあってきたんだから。
店について、カズが食べられそうなものを、適当に注文する。
ビールで乾杯して、すぐに赤くなるカズの肌は、男とは思えないくらいすべすべしてる。
本当に、綺麗なんだよな。
癖のない、すっきりした顔立ちは、衣装や髪形、たまにするメイクで雰囲気を一変させる。
時に、メンバーでさえ驚くような変化を見せるんだ。カメラマンや編集者、そして、沢山のファンが虜になるのも無理はないだろう。
それでも、一番魅力的なのは、洗いたてのさらさらの髪で、大野さんの隣で柔らかく笑っているときの顔だ。
カズ、お前が幸せそうに笑ってるから、俺は前よりどんどんお前を好きになるんだ。
「それで、潤くん。何か話したいこと、あるんでしょ?」
俺を見るカズの目は、全部分かってるって言ってるみたいで。
薄めの茶色の瞳が、キラキラしてる。
「うん。なんで話あるってわかった?」
「何となく?そうかなーって。さとしもそう言ってたし」
「大野さんも?」
「うん」
「そっか」
やっぱり、大野さん。俺の気持ちに気づいてたんだな。
それなのに、俺とカズを二人きりで、飯に来させてくれんのか。
大野さん。
でかい男だな。