先週の週末に来られた患者さんが、テレビで食事を1日2食にすると良いことを聞いたそうで、2~3週間前より、実践しているとのことでした。確かに食事全体の総カロリーを減らせば体重の減少やコレステロールの低下が期待できるかもしれません。しかし、患者さん自身の身体は締まって体調が良い様に思えなかったので、当院で一度体重を測定してみようと思ったところ、実際には体重が増加していました。一時的に胃腸の負担を軽減するために食事回数を減らすことで体調が回復することがないとは言えませんが、一日3回食べる中で、総カロリーをコントロールするべきだと思います。また、運動を併用すれば極端なカロリー制限なしにコレステロールの低下が期待できますし、身体の体調を整えた結果に伴いコレステロールが低下するべきます。コレステロールの数値のみにこだわり食事を極端に制限することは、かえって体調を崩してしまい疾病の発症に繋がってしまいます。

 コレステロールだけでなく、血液検査や血圧値なども同じです。先日、発行された、NHK雑誌の今日健康には糖尿病についての特集が掲載されており、血糖値の2~3か月の平均値の指標になると言われているHbA1cは、高齢の糖尿病患者の場合は、目標値を正常値より、やや高の方が糖尿病のコントロールが良好で体調が良いことが示されています。血圧においても、特に高齢者の場合は安定していれば、むしろやや高めの方が体調が良い方が多いように思います。

 色々なケースがあり一概に言えない場合もありますが、自分の体調が良ければ、あまり数字に拘らない方が良いこともあります。しかし、血圧が低くても足が浮腫んでいたりした場合は、心臓に異常が診られる場合があるので

すぐに医療機関を受診しなくてはいけません。必要以上に神経質になるのも考え物ですが、大切なことは、日頃から自分の身体の良い状態や異常な変化に気付き、かかりつけの医療機関に相談することが大切です。