はり治療を行うために患者さんの身体の状態を診る一つの方法として、脈診は大切です。脈全体を診ることにより、体質(神経質・虚弱)睡眠状態・食欲・自律神経の状態が解ります。そして、患者さんの脈の状態により、はりの深さ(強さ)やツボの数を調整します。  

 東洋医学では古くから、脈の左右差によりツボを選択して治療する方法がありますが、私は脈によってツボの場所を選択することには納得できません。脈の状態と体調には深い関係があるように思いますが、ツボの選択と脈の関係には、科学的根拠が乏しいと思います。しかし、適切な治療で体調が整えば脈の状態は良くなることから、身体の状態が不安定な患者さんは、治療後に脈診で確認することもあります。