四万十市の飲食業の現場からの声
「 四万十市の飲食業の現場からの声 」
中村料理飲食店組合 組合長 北川 辰彦氏インタビュー
中村料理飲食店組合のご紹介
組合員相互の情報交換・メニューの開発・衛生面の情報協力などを行っています。飲食業者間の情報交換などの場を作る為、設立されました。
料理店をはじめたきっかけ
父親の代から料理店を経営していましたので、他店での修行後、26歳の時後を継ぎました。創業55年になります。
四万十市への観光客へおすすめしたいことなど
四万十市は新鮮な海の幸・川の幸・山の幸が一度に揃い、食材が豊富なところです。
観光地といえば海・川・山いずれかの幸があるものですが、四万十市はすべての幸が揃う良いところです。
観光へ来た方には、四万十市に立ち寄るだけの通過型観光でなく、何泊か滞在していただき、1日目は海の幸、2日目は山の幸を味わうなど、四万十の食材の豊富さを楽しんでいただきたいですね。数日かけて四万十の味を満喫してもらえたらと思います。
その為に四万十市へ長期滞在できる何らかのシステムができればよいのではないでしょうか。
四万十市の郷土料理について
作る人のいなくなってしまった、昔ながらの郷土料理の発掘などを目指しています。組合員からも郷土料理開発・発掘の声が徐々に上がっています。
観光客の方々におすすめできる四万十独自のメニューができればと思っています。
また、便利な世の中になり食材にあまり手をかけなくてもよくなりましたが、手をかけて料理を作ることが必要ではないでしょうか。地元の食材を使って地元の郷土料理を作り、一次産業と観光業を共に発展させていくとよいと思います。
飲食業へ就職を目指す方にアドバイス
華やかに見えますが地道な作業も多いですし、長期間の努力も必要だと思います。
大変なことも多いですが、お客様に「おいしかった」と喜んで言ってもらえた時がベテランになっても一番うれしい時ですのでこの言葉を目標にがんばっていってください。
「四万十市の観光資源について、歴史研究家からの声」
岡村征勝さんのご紹介
ご出身は須崎です。高知の学校を卒業後、北海道で社会科の教員を勤め、定年で退職した後、奥様の実家の四万十市に平成11年に移住してきました。
仕事柄、転勤の度にその地域を知るために歴史や文化を調べていたこともあり、歴史の研究は好きな方です。また、歴史研究会の機関誌の発行や講演会、フィールドワークなどの活動も行っています。
西南四国歴史文化研究会について
現在研究会には愛媛と高知で600名近くの会員がいます。平成11年に中村へ帰ってきたその年に、西南四国歴史文化研究会が結成され、入会を勧められ、入りました。
平成16年には中村支部が結成され、それを機に中村の歴史を調べたり文書にしたりと色々と共同で活動するようになりました。高知県で支部があるのは中村だけで、現在約50名の会員がいます。
研究会の取り組みは、全体では歴史などの講演会の開催や、愛媛・高知の地域交流会、年に一度の機関誌の発行などがあります。支部の取り組みとしては会員の研究発表・講演会やフィールドワークなどを行っています。
四万十市の歴史文化の特徴
室町時代の後期に公家が開いた、日本でも数少ない町のひとつであり、地名や町の原型にそれを偲ばせるものがあります。
ただ土佐一条氏、「中村三万石」が、ともに100年前後で滅亡したこともあり、史跡は多いとは言えません。「三万石」が幕末まで続いていれば、武家屋敷など、もう少し残っていたかもしれませんね。
また、まわりを川に囲まれた特殊な地形で、数多くの水害を受けていますので、この水害をどう乗り越え、どう備えていたのか知りたいですし、これもこの町の歴史の一つの特徴になるのではないでしょうか。
四万十市の歴史的な観光資源の活用について
歴史に学び、より多くの人々が、先人の努力を継承して、地域を守り、成長させて行く、そうありたいですね。
観光との関連では、昨年中村支部で出した「土佐の『小京都』中村」を練り直し、よりコンパクトにして、近い将来関係施設等におくことができるようになればと思ったりします。
また、地元で市民が気軽に史跡等の説明をしたり、案内する、そんな雰囲気、体制ができるといいですね
まちの歴史は話を聞いたり、簡単な冊子を読むだけでは身につきませんので、特にガイドなどを希望される方は、これらを入口に、自分で調べ、たしかめる姿勢が大切だと思います。そうすれば説明内容に“深み”が出てきます。
それから、もっと若い人にも歴史に興味を持ってもらいたいですね。 地域の歴史を知ることは、自分の住む土地に愛着を覚えることにつながります。