〜出生前診断〜 | 産婦人科医ひーさんのブログ

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近年絶滅傾向にある開業予定の産婦人科医のブログです。
現在、様々な分娩スタイルが存在するなかで”理想のお産”とは,また”理想の産科病院”とは何かを考えていき、そしてみなさんに満足して頂ける病院を造りたいと思っています。

たまにはまじめな事も書きますよ。チョキ

みなさん妊娠されて、まず心配になることのひとつに「無事、赤ちゃんが五体満足に生まれてくるのかなぁ~汗」っていうのがありますよね。

そこでここでは出生前診断、特に羊水検査について簡単に質問形式でご紹介します。


Q.羊水染色体検査とは何ですか?

 羊水中には赤ちゃんの皮膚などから剥がれ落ちた細胞が浮遊しています。この細胞を採取し、その中に含まれる染色体を調べることによりダウン症などの染色体異常を出生前に診断する検査です。

Q.具体的にはどのようなことがわかるのですか?

 ヒトの細胞には通常46本の染色体が存在します。この染色体の数が多かったり少なかったりした場合赤ちゃんに先天異常などが起こってきます。染色体異常によるものであれば、非常に小さな部分の欠失やモザイクなどの特殊な場合を除いてはほとんどわかります。
 具体的にはダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミー、ターナー症候群、クラインフェルター症候群などです。最も多い染色体異常はダウン症です。また開放性神経管奇形(開放性二分脊椎や無脳症)は羊水中のα-フェトプロテイン(AFP)というタンパクの量を測定することで98%の精度で診断可能です。


産婦人科医ひーさんのブログ-染色体ダウン



Q.いつ頃検査をするのですか?

 検査に必要な羊水量は約20mlです。全体の羊水量とのバランスから妊娠16週前後におこないます。

Q.羊水はどのように採取するのですか?

 まず超音波検査で穿刺する部位を決定します。この際、赤ちゃんや胎盤に最も影響がない部位を選択します。次にこの部分に局所麻酔を行います。そして実際に腹部から子宮の中に向かって穿刺針を進めていきます。より安全に検査をおこなうため超音波ガイド下に穿刺をしています。検査後は1時間くらいベッドで安静にしてもらいます。帰宅後も1週間くらいは無理な行動は避けていただきます。

産婦人科医ひーさんのブログ-羊水検査


Q.羊水染色体検査はどのような場合に受けるのですか?

 羊水による胎児染色体検査は、次のような夫婦から希望があり、検査の目的や意義について十分な理解の得られた場合におこないます。

① 高齢妊娠
染色体異常の赤ちゃんが生まれる可能性は年齢依存で高くなっていきます。羊水検査の合併症として流産が起こる割合は約1/300であり、ダウン症の出産率が35歳で約1/300となることから35歳以上では希望に応じて検査をおこないます。

② 染色体異常の保因者または家族歴
夫婦、家族または近親者に染色体異常の人がいる場合は同じ異常をもつ赤ちゃんが生まれる可能性があります。

③ 分娩歴
染色体異常の赤ちゃんを出産したことがある場合。

④ 超音波検査の結果
妊娠初期の超音波検査で赤ちゃんに染色体異常が疑われるような特徴的な所見がみつかった場合。超音波検査で頸部浮腫がみつかった胎児の約20%に染色体異常がみつかっています。

⑤ 母体血清マーカー検査の結果
母体血清マーカー検査(クワトロテストなど)で確率が高かった場合。


Q.検査は安全ですか?

 羊水検査を盲目的に行っていた時期は合併症の発生頻度が高く7%程度の胎児喪失率(流産や死産)でしたが、現在では超音波診断装置の利用によりその合併症は激減し0.1~0.3%程度です。次に代表的な合併症あげます。

① 流産
非常にまれで、1/300くらいの頻度です。
② 出血、腹痛
約1%の人にこのような症状が出現することがありますが、安静にしていればほとんど心配はありません。
③ 感染
非常にまれですが、当院では予防的に抗生剤を内服していただいてます。
④ 胎児の受傷
超音波ガイド下に検査をおこないますので、穿刺針により赤ちゃんが傷つくことはほとんどありません。

このように現代では比較的安全に出生前診断が可能になりましたが、このような遺伝子を取り扱う検査の背景にはさまざまな倫理的問題が存在します。羊水染色体検査を希望される女性は担当医から検査を受ける利益、不利益について十分納得したうえで検査を受けて下さい。また必要であれば遺伝子カウンセリングを受けていただくこともあります。

Q.羊水染色体検査はどのような場合に受けるのですか?

 羊水による胎児染色体検査は、次のような夫婦から希望があり、検査の目的や意義について十分な理解の得られた場合におこないます。

① 高齢妊娠
染色体異常の赤ちゃんが生まれる可能性は年齢依存で高くなっていきます。羊水検査の合併症として流産が起こる割合は約1/300であり、ダウン症の出産率が35歳で約1/300となることから35歳以上では希望に応じて検査をおこないます。

② 染色体異常の保因者または家族歴
夫婦、家族または近親者に染色体異常の人がいる場合は同じ異常をもつ赤ちゃんが生まれる可能性があります。

③ 分娩歴
染色体異常の赤ちゃんを出産したことがある場合。

④ 超音波検査の結果
妊娠初期の超音波検査で赤ちゃんに染色体異常が疑われるような特徴的な所見がみつかった場合。超音波検査で頸部浮腫がみつかった胎児の約20%に染色体異常がみつかっています。

⑤ 母体血清マーカー検査の結果
母体血清マーカー検査(クワトロテストなど)で確率が高かった場合。


Q.検査は安全ですか?

 羊水検査を盲目的に行っていた時期は合併症の発生頻度が高く7%程度の胎児喪失率(流産や死産)でしたが、現在では超音波診断装置の利用によりその合併症は激減し0.1~0.3%程度です。次に代表的な合併症あげます。

① 流産
非常にまれで、1/300くらいの頻度です。
② 出血、腹痛
約1%の人にこのような症状が出現することがありますが、安静にしていればほとんど心配はありません。
③ 感染
非常にまれですが、当院では予防的に抗生剤を内服していただいてます。
④ 胎児の受傷
超音波ガイド下に検査をおこないますので、穿刺針により赤ちゃんが傷つくことはほとんどありません。

このように現代では比較的安全に出生前診断が可能になりましたが、このような遺伝子を取り扱う検査の背景にはさまざまな倫理的問題が存在します。羊水染色体検査を希望される女性は担当医から検査を受ける利益、不利益について十分納得したうえで検査を受けて下さい。また必要であれば遺伝子カウンセリングを受けていただくこともあります。


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