父が退院してきて自宅に戻って1週間経ちました。この3週間の入院で筋力が落ちてしまったのと不整脈があり、あまり動けなくなりました。それだけではなく、認知症が進んでしまって、服薬の管理が出来なくなったり、ちょっと前の記憶がなくなってしまったりしています。


私「お父さん、さっき食べたお昼ご飯は何だっけ?」

父「お昼?  何だっけな?  お昼ごはん食べたかな?お腹空いたな。」


私「お父さん、明日病院だからね」

父「病院?どこの?」

私「この間入院してた病院。入院してたのは覚えてる?」

父「それは覚えてるけど病院の名前はわからない」


  このような会話が何度も繰り返されています。質問を繰り返すと混乱し苦しそうに顔を歪めます。(ごめんね、苦しめるつもりはなかったんだ)


  病院に行っても「認知症は治ることはないので、進行スピードを遅らせるようにするには外に出て人と話すこと」と言われてしまいました。それができるなら苦労しないっつーの(-_-;)  デイサービス行っても嫌で途中で帰ってきちゃったんだから…。


  You Tubeを見ながら認知症の人のリハビリやマッサージをしています。父の後ろに回って頭のマッサージをしてた時に、甥っ子の話になり、名前を忘れてしまっていたことに泣きそうになりました。このまま色々なことを忘れてしまうんだっということを突きつけられた気がしました。


  父は決していい父ではありませんでした。人の保証人になり、その人に逃げられて借金だらけになり、ギャンブルをして、大酒飲みで…。


  母は子供が多かったから働きもできず1日中内職をして、体を壊して…。

  

  兄たちが高校を卒業して早々に家を出て、家を出た兄達に心配かけたくないと頼ってきた母のためとかわいい弟の為、残った私は家のため家族のためしゃかりきに働き、多いときには本業の他2つのアルバイトを掛け持ちして(警備員とカラオケ屋)お金を家に入れました。


  平日は朝9時〜夕方6時迄本業で、夜6時30分から翌日の朝3時迄働き、本業が休みの日は警備員のアルバイトのあとやはり翌朝3時まで。10年間休みなく働きました。夢中でした。タバコの本数が1箱、2箱と増え、ピーク時には1日3箱半になっていたので、肺がんになると思い、がん保険に入りました。これが今役立っています。


  でも、父を嫌いになることはいちどもありませんでした。ただの1度もです。頭皮マッサージをしながら、父を抱きしめました。(お父さん、私はここにいるよ。まだ忘れないで。大好きだよ。)


  父の中からハラハラと零れ落ちる記憶たち。お願いだから、もっとゆっくり。もっとゆっくり…。お願いだよ(:_;)