2009年の政権交代を応援した人は、民主党政権の総括を(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

2009年の政権交代を応援した人は、民主党政権の総括を(中川秀直)


民主党の混乱が続いている。全ての原点は2009年の総選挙である。あの選挙をマスコミや有識者は「政権交代選挙」と呼んだ。政権交代に賛成か、反対かを問うた。そして、民主党が何をするかは問わなかった。本来、政権交代は何かを実現するための手段であって、目的ではない。2009年の政権交代選挙は、権力奪取だけを目的とする選挙だった。このことが今日の政治の混乱の原因である。

2009年総選挙で、民主党は自分たちなら総予算200兆円の1割の20兆円の無駄は直ぐに削減できるといっていた。そして、マニフェストでは無駄の削減などで16.8兆円を確保すると書いてあった。国民は自民党にはできない無駄削減で社会保障を充実させることを民主党に期待した。
 


しかし、無駄削減は一所懸命やらないで、約束していない増税を一所懸命にやっているのが民主党である。

自公連立政権から民主党政権になって一般会計は13兆円程度増えている。他方、自民党政権下の2007年に比べると税収は10兆円減っている。

民主党は国民の期待に応えたのか。霞が関埋蔵金発掘量は、自民党政調会長である私が主導して「骨太の方針2006」を取りまとめて以後、2006~2008年度に約32兆円を発掘した。政権交代のあった2009年度と2010年度をあわせると10兆円である。
 


また、自公連立政権時代には10年間で3兆6000億円の国有財産を売却することになっていた。このうち、自公連立政権時代の2006-2008年度に7998億円売却した。政権交代のあった2009年度は1382億円である。そして、民主党政権下では2010年度に864億円しか売却していない。
 
自公連立政権時代には10年間で政府保有株式で8兆4000億円の売却収入をあげることになっていた。このうち、自公連立政権時代の2006-2008年度に1303億円の売却収入があった。しかし、政権交代のあった2009年度と民主党政権下の2010年度には売却収入は0円である。

自公連立政権時代には10年間で財政融資資金貸付金の圧縮を130兆円行うことになっており、自公連立政権下の2006-2008年度には約77兆円を圧縮し、政権交代のあった2009年度には約16兆円を圧縮した。しかし、民主党政権下の2010年度には約6兆円しか圧縮していない。
 


 自民党政権時代であれば政権が吹っ飛ぶような問題がいくつも発生している。そして、その問題が多すぎて、民主党批判につながらない。また、2009年に民主党政権誕生を支持し、応援したみなさんは、失望のあまり沈黙を保っている。2009年に民主党を応援した有識者のみなさんは、民主党は何を誤ったのか、しっかりとした総括を行なう責任がある。二度と同じ過ちを犯すことがないようにするために、みなさんの責任は重大である。

(7月4日記)