日銀の5月の政策決定会合における経済情勢認識 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

日銀の5月の政策決定会合における経済情勢認識

秘書です。
日銀の5月の政策決定会合における経済情勢認識です。



政策委員会金融政策決定会合議事要旨(2012年5月22、23日開催分)
http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2012/g120523.pdf

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Ⅱ.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要
1.経済情勢
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景気の先行きについて、委員は、新興国・資源国に牽引されるかた
ちで海外経済の成長率が再び高まり、また、震災復興関連の需要が
徐々に強まっていくにつれて、緩やかな回復経路に復していくとの見
方で一致した。輸出・生産の先行きについて、委員は、次第に横ばい
圏内の動きを脱し、緩やかに回復していくとの認識を共有した。その
うえで、多くの委員は、外需が幾分弱めに推移する一方、内需は震災
復興関連や個人消費を中心になおしばらく底堅さを維持する可能性
があると述べた。ある委員は、個人消費には政策効果だけでない自律
的な力も働きつつあるとしたうえで、例えば百貨店業界におけるセー
ル後倒しの動きは、近年見られなかった前向きな現象であるとコメン
トした。別の一人の委員は、①震災後のペントアップ需要や被災地の
生活再建需要、②エコカー補助金などの政策効果、③企業の高齢者需
要などの掘り起こし努力といった要因から、個人消費は底堅く推移し
ていると述べた。この委員は、①と②の要因は、先行き減衰していく
と考えられるほか、③の要因の定量的インパクトや持続性に関しても
不確実性は大きいと付け加えた

                      ・・・ある委員は、
欧州債務問題を背景とする足もとの円高・株安が、企業マインド等を
通じて、国内設備投資に及ぼす影響について懸念を示した。何人かの
委員は、欧州向け輸出の減少などを起点に、中国経済の成長ペースが
はっきりと下振れる場合には、米国経済の動向次第ではあるものの、
海外経済の成長率上昇を前提とした展望レポートの経済見通しは影
響を受けると付け加えた。国内固有のリスク要因として、複数の委員
は、今夏における電力需給の不確実性を挙げた

消費者物価(除く生鮮食品)の前年比について、委員は、概ねゼロ%
となっており、先行きは、当面、ゼロ%近傍で推移するとの見方で一
致した。何人かの委員は、物価情勢における最近の変化として、業界
再編等を背景に、企業の価格決定力に回復の兆しが窺われることや、
高齢化に伴う需要構造の変化に対応して、コンビニエンスストア等で
高付加価値化の動きがみられることを指摘した。1~3月の内需デフ
レーターの前期比がプラスに転じた点について、複数の委員は、消費
や設備投資など幅広い需要項目で着実に改善している点に注目して
いると述べた。複数の委員は、こうした足もとの物価情勢における前
向きな動きなどについて丁寧な情報発信を行っていくことは、デフレ
予想を強めない観点からも、重要であると述べた。
物価の先行きを巡るリスクについて、委員は、国際商品市況や中長
期的な予想物価上昇率の動向などを、注視する必要があるとの認識を
共有した。複数の委員は、足もとの国際商品市況の下落傾向が続けば
物価の下振れ要因となり得ると述べた。このうちの一人の委員は、短
期的なインフレ予想が引き続き低い水準であることに言及したうえ
で、こうした動きはインフレ率が中長期的にみて安定的な水準(アン
カー)に収束していくペースを遅くする方向に作用するので、十分な
注意が必要であるとの見方を示した
。別の一人の委員は、中東情勢の
展開次第では原油価格が上振れるリスクもある点に注意が必要であ
ると付け加えた。