こんにちは、
品質保証部になったエンジニアのマーちゃんです。

 

今回は
 「不良は流出防止だけでは防げない!」
という話です。

 

いまだに尾を引いているサムソンのバッテリー問題です
が、その後の情報を見ました。

 

サムソンは研究員やエンジニアを700人ほど動員して、
 「20万台超のスマホと3万個超のバッテリーを検査し、
  ハードウエアにもソフトウエアではなく
  バッテリーが原因だ。」
と結論づけたようです。

 

問題があったバッテリーは2社から供給されていて
 「今回は、2社のバッテリー両方に問題があった」
とのこと。

 

普通、複数購買していれば片方に問題があればもう片方
でその場をしのぎます。

 

それが今回は出来なかったようです。
その記事を読んで、私が疑問に思ったことを
紹介します。

 

<今回の問題は?>
報告では
 バッテリーAは設計上の問題
 バッテリーBは製造過程での溶接が不良
で、
 「その結果”バッテリーをショートさせた”」
とのことでした。

 

安全規格の認証機関のひとつ、ULも独自の調査で
同じ結論に到達したとか。

 

でも、根本的な原因には言及されていませんでした。

そして、問題の核心が
 「問題を突き止めるための品質管理手段がなかった」
為であり、

 

今後は
 ・製品内部の異常を特定するX線検査
 ・負荷テストなど
 新たな8項目の安全点検を計画
しているとか。

 

これを読んで、私には「?(疑問)」が出ました。

 

<なぜ疑問に思ったか?>
私は会社に入社してから電源設計が最初で、
その後、PCの商品設計にも関わりました。
その中で、バッテリーの導入検討もしました。

 

その中で教えられたことは
 「最初の設計思想がすべて」
ということでした。

 

そして、製造技術に異動して
 「品質管理が如何に優れていても、
  不良の流出を完全に防ぐのは難しい」

ということも教わり、実感しました。

 

これを前提にすると前述のサムスンの対策は
 「流出防止の強化」
ということと私はとらえました。

 

なので、いくらトップが
 「二度と(同じ問題を)起こさない自信がある」
と言っても、私には疑問が残った
のです。

 

<本来は?>
 結局、どこのメーカーでも
 「難しいから出来ない」
という

 「設計」
に着手しない限り、品質は良くならない
のです。

 

この設計に着手したくない人、避けている人が対策を
考えると必ず

 「製造で防止ができていなかった。」
 「コールセンターの誘導が不十分だった。」

などと、他部署に責任転嫁します。

 

でも、これでは根本的に手を打っていないので
 ・一時期良くなったように見えても再発する
 ・改善されずに流出が止まらない
ということになったりします。

 

なので、
 「不良が出にくい設計にする」
のが正解
です。


 

私は品質保証部に異動してこのことを伝えています。

 

ここで、気をつけているのは設計に
 「やれ!」
と言わないこと
です。

 

そうしないと
 「やらされ感満載」
で改善できないからです。

 

そのため、業務で色々な事例などを通して設計者に
 「改善しなければいけない!」
と気づいてもらう
ことに腐心しています。

 

で、先輩とことあるごとに
 「意識を変えてもらえるように、
  活動を継続するしかないね。」

と話しています。

 

あなたはどう考えますか?

いかがだったでしょうか?
この記事が参考になれば幸いです。